前歯にマウスピースを掛け、曲を聴きながら味わう
MRIの装置に入る患者を、技術者が見守っているところです(アメリカのメリーランド州ベセスダの国立海軍医療センター、2003年8月)。別の病院の装置で、今回の実験のものではありません。今回の研究でも、参加者はスキャナーの中であお向けになって、曲と味を受け取りました。Credit: U.S. Navy photo / Wikimedia Commons(Public domain)これを確かめるために、研究チームはデンマークのオーフス大学病院で、脳の働きを画像にする装置(fMRI)を使いました。
脳のデータが最後までそろったのは、健康な右利きの大人28人(うち女性16人)です。
参加者はスキャナーの中であお向けになり、3Dプリンターで作ったマウスピースを上の前歯の裏に引っ掛けます。
そこから伸びる細い管を通して、砂糖水かクエン酸の水が、舌の上に3秒かけて流れ出ます。
甘い水は、500mLのペットボトル1本に砂糖をおよそ69グラム溶かしたのと同じ濃さです。
酸っぱい水は、同じボトル1本にクエン酸をおよそ1.2グラム溶かした濃さでした。
水に溶かしたクエン酸から結晶させたものを、顕微鏡で写した写真です。実験の酸っぱい水は、このクエン酸を溶かして作られていました。Credit: Alexander Klepnev / Wikimedia Commons(CC BY 4.0)同時にヘッドホンから流れるのが、45秒の「甘い曲」と「酸っぱい曲」です。
甘い曲は、高い音をなめらかにつないで弾き、響きのきれいな和音(協和音)で組み立てられています。
酸っぱい曲も高い音ですが、出だしが鋭く、少しにごった和音(軽い不協和音)が混ぜてあります。
どちらも以前の研究で確かめられた曲を元に作られていて、SoundCloud(音声を公開・共有できるウェブサービス)で誰でも聴けます。
実験の前半では、曲と水の組み合わせ4通りを、それぞれ8回ずつ試しました。
そのあと、曲なしで水だけを味わう時間と、水なしで曲だけを聴く時間が続きます。
曲だけを聴く時間には、舌には何も触れていません。
つまり、音だけで脳の味に関わる場所が動くかどうかも、確かめられる設計になっていたのです。






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