肝臓の血管は「ふるい」のように穴だらけだった
顕微鏡で見た肝臓の断面です。肝細胞が細い列になって並んでいるのが分かります。Credit: Nephron / Wikimedia Commons(CC BY-SA 3.0)肝臓の中を流れる血管の内側は、類洞内皮細胞(るいどうないひさいぼう)という細胞で覆われています。
この細胞には小さな穴がたくさん開いていて、まるで目の細かいふるいのようです。
この穴を通って、血液中の大きな粒が、血管の外側のすき間(ディッセ腔)へ抜けていきます。
その先で待つのが、肝臓の片付けの仕事の大半を受け持つ肝細胞です。
肝臓の細胞(肝細胞)を描いた絵です。血管の穴を抜けた大きな粒を、その先で受け取るのがこの細胞です。Credit: Courtesy of NIAID Ryan Kissinger / Wikimedia Commons(Public domain)ところが年をとると、この穴は小さくなり、やがて閉じてしまいます。
論文によると、人でもこの変化は、60歳を過ぎるとほぼすべての人に見られます。
すると大きな粒は肝細胞まで届かず、血液の中に残りやすくなります。
研究チームが注目したのは、アルツハイマー病で脳にたまる物質(アミロイドβ)です。
血液中のアミロイドβの多くは、中性脂肪を運ぶ大きな脂肪の粒(リポタンパク質)にくっついて流れています。
穴が閉じたせいで、この大きな粒ごと片付けられなくなっているのでは、とチームは考えました。
確かめるために使ったのが、開発中の薬シナシグアトです。
血管の細胞の姿を左右する、細胞の中の合図の流れを強める働きを持っています。
年老いたラットをくじで2組に分け、一方にはこの薬を毎日、胃に直接入れる形で与えました。
もう一方には、薬を溶かす液だけを同じように与え、2週間続けました。
比べる相手として、若いラットも用意しました。







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