犬より先に、人間の遺体で試していた
セイザー・タワーです。カリフォルニア大学バークレー校のキャンパスに立つ時計塔で、ラザロの実験が行われたのも、この大学の実験室でした。Credit: Almonroth / Wikimedia Commons(CC BY-SA 3.0)コーニッシュ博士は神童と呼ばれた若者で、22歳で同大学の博士号を取っていました。
1933年ごろからは、蘇生の研究に取りつかれたように打ち込んでいきます。
博士が鍵と考えたのは、シーソーのような板(ティーターボード)です。
体を前後・上下に揺らせば、血の巡りを取り戻せると信じていました。
そして博士が最初にこの方法を試した相手は、犬ではなく人間でした。
1人目は、心停止で亡くなった62歳の印刷工の男性です。
博士は死後4時間半がたってから病院に着き、温熱パッドでくるんだ遺体をシーソー台に固定しました。
そして90分間、遺体を上下に揺らし続けましたが、男性は生き返りませんでした。
カリフォルニア大学のロバート・コーニッシュ博士が考えた、命を呼び戻すための新しい装置です(通信社の写真)。酸素や熱などと同時に使うもので、博士は1人目の遺体も温熱パッドでくるんでから台に固定していました。Credit: Acme Newspicture (Agence de presse). Agence photographique (commanditaire) / Wikimedia Commons(Public domain)ただ博士は、途中で男性の顔が急に温かくなったように見えたと記録しています。
目に輝きが戻り、のどと胸の骨の間の柔らかい部分に、かすかな脈打つ動きが見えたというのです。
この記録は、科学ジャーナリストのフランク・スウェイン氏の著書で紹介されています。
2週間後、博士は22歳の機械工の男性で同じ治療を試します。
男性はサンフランシスコ湾から遺体で引き上げられ、3時間がたっていました。
丸4時間シーソー台で揺らしましたが、これも失敗です。
翌日には感電死した遺体を温かいお湯に沈めてから台に乗せましたが、やはり生き返りませんでした。
結果に満足できなかった博士は、まず犬で方法を磨いてから人間に戻ることにします。
選ばれたのはフォックステリアで、博士は1匹ずつに「ラザロ」と名付けました。
コーニッシュ博士と実験の犬の実際の写真はこちら(Popular Science) 画像1
冒頭のラザロ2世は、その最初の1匹ですらなかったのです。







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