10年の観察で判明、ボノボはメスの方がオスより狩りをする

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「狩りをあまりしない」と見られてきたボノボ

チンパンジーです。ボノボとは別の種ですが、ボノボと合わせてチンパンジー属という1つのまとまりをつくっています。チンパンジーです。ボノボとは別の種ですが、ボノボと合わせてチンパンジー属という1つのまとまりをつくっています。Credit: böhringer friedrich This photo was taken with Nikon D300s / Wikimedia Commons(CC BY-SA 2.5)

類人猿の中で名高い狩人といえば、ボノボに最も近いチンパンジーです。

チンパンジーのオスたちは息を合わせて木の上の大きなサルを襲い、捕った獲物をオスどうしで分け合います。

一方のボノボは、狩りをあまりしない類人猿として知られてきました。

狩るとしても、地上にいる蹄(ひづめ)のある動物を、主にメスが単独でたまたま捕る程度だと考えられてきたのです。

ただ、ボノボのメスが獲物捕りにどこまでかかわっているのかは、はっきりしていませんでした。

森の見通しが悪いうえ、群れは広く散らばり、狩りの動きも速いため、誰が捕ったのかを見届けにくいからです。

研究チームが注目したのは、ボノボではメスがオスと並んで優位に立つという、類人猿の中で珍しい社会のしくみです。

獲物が捕れた後に肉を持っているのはメスで、誰がいつ食べるかもメスが決めます。

ルイコタレのボノボ研究の計画の期間に撮られた、今回の研究のシニア著者、バーバラ・フルート氏です。ルイコタレは、研究チームが2つの群れを観察したコンゴ民主共和国の調査地です。ルイコタレのボノボ研究の計画の期間に撮られた、今回の研究のシニア著者、バーバラ・フルート氏です。ルイコタレは、研究チームが2つの群れを観察したコンゴ民主共和国の調査地です。Credit: Christian Ziegler / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)

シニア著者のバーバラ・フルート氏によると、チンパンジーでは獲物を手元に残せるかどうかが順位と結びついています。

だからこそ、チンパンジーの狩りはオスの仕事になっているというのです。

それなら、メスの地位が高いボノボの社会では、狩りの男女差は小さくなるのではないか、とチームは考えました。

調べたのは、コンゴ民主共和国のルイコタレという調査地にすむ、人の観察に慣れた2つの群れです。

チームは2014年2月から2023年8月まで、「西の群れ」と「東の群れ」の狩りを記録し続けました。

観察した日数は2つの群れで合わせて約4,000日にのぼり、獲物の捕獲に成功した狩りが415回記録されました。

その中から、獲物を捕った個体を見分けられた回を選び、狩り手の性別と年齢、獲物の種類を調べたのです。

捕る瞬間が茂みなどで見えなかった時は、直後に獲物を持っていた個体を狩り手としました。

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