「シロアリの巣」で暮らす新種テントウムシを発見
内部は温度や湿度、食料資源が安定した、外部とは隔てられた空間であり、いわば巨大な「地下都市」のような場所です。
そのためシロアリの巣には、昔から多くの昆虫や節足動物が入り込み、共生生活を送っていることが知られていました。
こうした生物は「好白蟻性生物」あるいは「シロアリ共生生物」と呼ばれています。
しかし、そこにテントウムシが含まれるとは考えられていませんでした。
そもそもテントウムシは、アブラムシやカイガラムシを捕食する昆虫として知られています。
多くの種は植物の上で生活しており、閉鎖的なシロアリの巣に適応した種の存在は想定されていなかったのです。
また、シロアリの巣で暮らすには、巣の住人に攻撃されずに受け入れられる必要があります。
実際、多くのシロアリ共生生物では、体形の変化や化学的な擬態など、巣内生活に適応した特徴が知られています。
シロアリと共生する新種テントウムシを発見。幼虫はシロアリに似ている / Credit:関崚大ら(九州大学), European Journal of Entomology(2026), CC BY 4.0しかし研究チームが、タイ各地でシロアリの一種「Microcerotermes crassus」の巣を調査したところ、内部から未知のテントウムシを発見しました。
新種は「シロアリヒメテントウ(Scymnus(Pullus)tshunsii)」と命名されました。
さらに重要だったのは、成虫だけでなく、幼虫や蛹まで巣の内部から見つかった点です。
しかも研究チームは、巣から採集した幼虫を飼育し、実際に成虫へ成長することも確認しました。
つまり、このテントウムシは偶然入り込んだわけではなく、シロアリの巣に適応した生活を送る種だったのです。
テントウムシ科で、このような生活様式が正式に確認されたのは世界で初めてです。






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