難問を解く近道は「全体」ではなく「部品から1つずつ」理解することだった

9 時間前 3

一気に全体を学ぶより、1つずつ学んだ方が強かった

私たちは日常的に、複数の情報を組み合わせて判断しています。

医師が複数の症状から病気を推測するように、あるいは天気予報で気圧や雲の動きなどを組み合わせるように、現実の問題は1つの手がかりだけでは解けません。

しかし研究チームが知りたかったのは、「人は複数の手がかりをどう学べば、最もうまく判断できるようになるのか」という点でした。

そこで行われたのが、「天気予測ゲーム」です。

参加者は、円や四角形、ひし形のような幾何学図形の組み合わせを見て、それが「晴れ」か「雨」のどちらを示しているかを予測しました。

ただし、それぞれの図形には「晴れ」や「雨」への影響の強さが設定されています。

ある図形は晴れ寄り、別の図形は雨寄りというように、各図形が結果に少しずつ影響していました。

参加者は最初から答えを知らされるわけではなく、試行錯誤しながら図形の意味を覚えていきます。

画像記号の組み合わせから天気を予想するゲーム。 / Credit:Qingtian Mi(University of Oxford)et al., Nature Human Behaviour(2026), CC BY 4.0

実験では、参加者を大きく2つのグループに分けました。

一方は、最初に図形を1つずつ見せられる「単独手がかり学習」のグループです。

もう一方は、最初から3つの図形を同時に見せられる「複数手がかり学習」のグループです。

訓練後、両グループは短い3手がかり練習を行ったうえで、同じテストを受けました。

テストでは毎回3つの手がかりが示されましたが、その中身は1種類だけが繰り返される場合もあれば、2種類、3種類の図形が組み合わされる場合もありました。

普通に考えると、最初から3つの図形を見て練習したグループの方が、本番に強そうに思えます。

ところが結果は逆でした。

1つずつ図形を学んだグループの方が、訓練中に速く学び、フィードバックのないテストでも有意に高い成績を示したのです。

さらに別の実験では、この効果が「見たことのある組み合わせにだけ強くなる」ものではないことも確認されました。

1つずつ手がかりを学んだ参加者は、訓練中に直接見ていない新しい組み合わせに対しても、より正確に判断できたのです。

つまり参加者は、複雑な組み合わせを丸ごと暗記していたというより、各部品の意味を学び、それを後から組み合わせて判断していた可能性があります。

では、なぜ「部品から1つずつ学ぶ」方が強かったのでしょうか。

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