金色の瞳に走る黒い線が、カエルの「指紋」だったと判明

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カエルの「名札」は、指を切って付けてきた

同じ仲間の別の種、オステオケファルス・カスタネイコラの指です(タリカヤ自然保護区で、夜の散策中に見つかった個体)。今回調べたカエルそのものではありません。両生類の目印には、こうした指の一部を切り取る方法がよく使われてきました。同じ仲間の別の種、オステオケファルス・カスタネイコラの指です(タリカヤ自然保護区で、夜の散策中に見つかった個体)。今回調べたカエルそのものではありません。両生類の目印には、こうした指の一部を切り取る方法がよく使われてきました。Credit: MauMirror / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)

野外で動物を調べるとき、同じ個体を何度でも見分けられることは研究の土台です。

同じカエルだと分からなければ、その行動や暮らしぶりを追いかけられないからです。

ところが、目印の付け方の多くは体を傷つけるもので、動物の行動や生き残りに響くおそれがあります。

カエルなどの両生類でよく使われてきたのが、指の一部や1本を切り取る方法(トウクリッピング)です。

この方法は、カエルの生き残りや体の働き、行動に影響しうると指摘されてきました。

研究の共著者で、スイス・ベルン大学の行動生態学者メリッサ・ペニエ氏は、このやり方に抵抗を感じていました。

「このカエルは木の上で暮らし、木に登るのに手足を頼っているのですから、なおさらです」と同氏は語ります。

対象は、アマゾン川の流域にすむ木登りガエルの一種、オステオケファルス・オオファグスです。

つるの巻きついた木の幹にしがみつく、オステオケファルス・オオファグスです(論文の図2の一部を切り出し、フランス領ギアナ)。指先の丸い吸盤で幹をつかんでいます。つるの巻きついた木の幹にしがみつく、オステオケファルス・オオファグスです(論文の図2の一部を切り出し、フランス領ギアナ)。指先の丸い吸盤で幹をつかんでいます。Credit: Bégué et al., Herpetozoa (2026)(CC BY 4.0、図2の一部を切り出し)

昼は森の高い木の上で過ごし、夜になると人の背丈より少し高い、2メートルほどの所まで降りてきます。

オスは毎晩降りてきて鳴き、メスを呼びます。

メスが降りてくるのは、4〜7日に1度です。

このカエルの背中にも模様はありますが、ごく小さかったり、個体によって無かったりします。

体の一部にしか出ないこともあり、並べて比べるのは難しいのです。

一方で目を見ると、瞳のまわりの色の付いた部分(虹彩)が金色をしています。

そこには、中心から外へ向かう細い黒い線が、何本も複雑に走っています。

オステオケファルス・オオファグスのオス1匹とメス1匹の、目と背中の模様です(フランス領ギアナ)。どちらも2回捕まえたときの写真が並んでいるので、同じ個体の目と背中を2回分見比べられます。オステオケファルス・オオファグスのオス1匹とメス1匹の、目と背中の模様です(フランス領ギアナ)。どちらも2回捕まえたときの写真が並んでいるので、同じ個体の目と背中を2回分見比べられます。Credit: Bégué et al., Herpetozoa (2026)(CC BY 4.0)

体の模様が頼りにならないこのカエルでは、目こそが名札の候補だったのです。

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