光を当てると「藻」で動くロボットの腕が金属の玉をつかむ

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光と藻で動く、長さ約2cmの「腕」

空気で膨らませて動かす、柔らかい素材のロボットの腕です(アメリカ・カーネギーメロン大学のロボティクス研究所)。ディズニー映画に出てくるベイマックスの姿を考えるときに、制作チームのヒントになったロボットです。別の研究所のロボットで、今回の藻で動く腕ではありません。空気で膨らませて動かす、柔らかい素材のロボットの腕です(アメリカ・カーネギーメロン大学のロボティクス研究所)。ディズニー映画に出てくるベイマックスの姿を考えるときに、制作チームのヒントになったロボットです。別の研究所のロボットで、今回の藻で動く腕ではありません。Credit: Z22 / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)

柔らかい素材でできたロボットは、水の中で物をそっと扱う作業に向いています。

ただ論文によると、これまでの柔らかい動く部品(ソフトアクチュエーター)は、外からのエネルギーや複雑な機械の部品、遺伝子の組み換えなどのどれかに頼るものでした。

この課題に取り組んだのは、オランダのデルフト工科大学のマリー=イヴ・オービン=タム氏らの研究チームです。

オランダ・デルフトにあるデルフト工科大学の、工業デザイン学部の建物です。今回の研究チームは、この大学の研究者たちです。オランダ・デルフトにあるデルフト工科大学の、工業デザイン学部の建物です。今回の研究チームは、この大学の研究者たちです。Credit: Ymblanter / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)

同氏によると、最初から特定の使い道を狙った研究ではありませんでした。

生きた細胞を素材に組み込んだら何ができるのかを、確かめたかったのだといいます。

作られたのは、長さ約2cm、厚さ約1mmの緑色の細い帯です。

帯は、水をたっぷり含んだゼリー状の素材(ハイドロゲル)を2枚貼り合わせたものです。

その表面に、植物に近い単細胞の小さな藻、クラミドモナス(Chlamydomonas reinhardtii)が住み着いています。

クラミドモナスを電子顕微鏡(走査型)で撮った画像です。細胞1つででき、べん毛という毛を持つ藻で、遺伝子の研究でお手本の生き物としてよく使われています。クラミドモナスを電子顕微鏡(走査型)で撮った画像です。細胞1つででき、べん毛という毛を持つ藻で、遺伝子の研究でお手本の生き物としてよく使われています。Credit: Dartmouth Electron Microscope Facility, Dartmouth College / Wikimedia Commons(Public domain)

研究チームが利用したのは、藻が光を浴びると周りの水の性質を変える、という働きでした。

藻が光合成をすると周りの水はアルカリ性に傾き、暗くなって呼吸をすると酸性の側へ戻ると考えられます。

もし2枚の層が、水のpH(酸性・アルカリ性の度合い)にそれぞれ違う反応を示せば、どうなるでしょうか。

藻の昼と夜のリズムが、そのまま帯の曲がる動きに変わるはずです。

つまりこの腕のエンジンは、モーターではなく、藻の光合成そのものなのです。

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