米退職年金「9,000万人超」に仮想通貨投資の道、労働省が最終規則案を提出

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この記事の要点

  • 米労働省、401(k)の仮想通貨投資に関する最終規則案を提出
  • 9,000万人超の退職年金加入者の投資選択肢が拡大する可能性

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仮想通貨の401(k)投資、最終規則案を提出

米労働省(DOL)は2026年11月5日、仮想通貨(暗号資産)を含む代替資産の401(k)退職年金制度への組み入れに関する最終規則案を、ホワイトハウスの情報規制問題局(OIRA)に提出しました。

規則が最終化されれば、401(k)プランの運営者(受託者)がデジタル資産やプライベートエクイティを含む投資商品を選定する際の基準が明確化され、米国の退職年金加入者に提供される投資選択肢が拡大する可能性があります。

米労働省は公式発表で、9,000万人以上の米国人に新たな退職金運用の選択肢を提供する方針を示しており、従来の株式や債券に加え、異なる特性を持つ資産への分散投資を通じた長期的な運用収益の改善を目指しています。

この方針を制度化するため、同省は2026年3月31日に連邦官報(91 FR 16088)で規則案を公表し、6月1日にパブリックコメントの受付を終了した後、最終規則の審査へ移行しています。

401(k)の代替資産拡大へ、受託者基準の見直し案

仮想通貨・不動産など6分類を投資候補に

今回の規則は、トランプ大統領が2025年8月7日に署名した大統領令14330に基づくもので、従来は富裕層や公的年金基金などが中心だった代替資産への投資機会を、一般の退職年金加入者にも広げる方針が示されました。

大統領令では、その対象としてプライベートマーケット投資や不動産、仮想通貨を含むデジタル資産など、6カテゴリーの代替資産が定義されています。

カテゴリー 対象資産
①プライベートマーケット投資公開市場で取引されないエクイティ・デットなど
②不動産関連投資不動産および不動産担保付きデットへの直接・間接投資
③デジタル資産投資デジタル資産に投資するアクティブ運用型投資ビークルの保有
④コモディティ商品への直接・間接投資
⑤インフラ関連投資インフラ開発プロジェクトへの直接・間接的な持分投資
⑥生涯所得投資戦略長寿リスク分散型プールを含む終身所得戦略

米労働省は規則の概要資料で、代替資産に伴う高額な費用と、長期的な純収益の向上や分散投資の効果を慎重に比較するため、受託者の判断基準を明確化する方針を示しています。

仮想通貨への慎重指針を撤回

こうした投資商品の選定をめぐり、バイデン政権下の2022年に公表されたコンプライアンス指針2022-01号では、401(k)プランの受託者に対し、仮想通貨を投資対象に加える前に「極度の注意」を払うよう求めていました。

トランプ政権の労働省は2025年5月28日に同指針を撤回し、特定の投資商品を推奨も否認もしない中立的な立場への回帰を表明しています。

さらに、2026年3月に公表された規則案では、受託者の投資判断に関する訴訟リスクを軽減するため、一定の審査手続きに基づく判断を法的に保護する「セーフハーバー(安全港)」規定が提案されました。

規則案は運用実績・手数料・流動性・資産評価方法・ベンチマーク・複雑性の6要素を評価項目に掲げており、労働省は受託者の判断基準を明確化することで幅広い投資商品の採用を促す方針を示しています。

ウォーレン議員ら3名が規則案の撤回を要求

セーフハーバーによる受託者の法的保護に対しては、米議会から反対意見が上がっており、バーニー・サンダース上院議員(無所属)、エリザベス・ウォーレン上院議員(民主党)、ボビー・スコット下院議員(民主党)の3名は2026年6月1日、キース・ソンダーリング労働長官代行に対して規則案の撤回を求める書簡を送付しました。

3名は同書簡で、セーフハーバーが受託者の義務を形式的な確認手続きに置き換え、退職年金の加入者を保護してきた法的基準を弱体化させる恐れがあると批判しています。

さらに、仮想通貨の大きな価格変動やプライベートエクイティなどに伴う高額な手数料、資産評価の不透明性を問題視し、退職資産が複雑でリスクの高い商品にさらされる可能性を理由に、従来の投資家保護基準を維持するよう求めています。

401(k)の仮想通貨投資、最終規則の公布は未定

退職年金制度における代替資産へのアクセス拡大をめぐっては、2025年8月の大統領令14330がSEC(証券取引委員会)にも既存の規制やガイダンスの改定を検討するよう指示し、労働省以外の規制当局にも制度の見直しを促しました。

SECが投資商品へのアクセスをめぐる規制の見直しを担うのに対し、労働省は401(k)プランの受託者による投資判断の基準を対象としており、両当局には異なる役割が与えられています。

11月5日に提出された最終規則案は、OIRAの公開記録で経済的重要規制として審査中となっており、退職年金加入者の投資機会拡大と資産保護を両立させる制度の正式化に向け、最終規則の審査結果が待たれています。

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Source:DOL規制案
サムネイル:AIによる生成画像

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