古い本に残った「毛髪」から江戸庶民の食事を復元
今回、研究者たちが調べたのは、古い和本に書かれた献立や料理の記録ではありません。
注目したのは、本の表紙などに使われた再生厚紙の中に漉(す)き込まれていた毛髪です。
江戸時代には古紙を再利用して厚紙を作ることがあり、その過程で毛髪が混入することがありました。
毛髪を保存するタイムカプセルとなった古い和本/ Credit: 国文学研究資料館(2026)研究グループは龍谷大学大宮図書館の所蔵品を中心に約7万冊の和本を調査し、出版された都市と時期を特定できる毛髪を約400部の本から集めました。
そのうち104部では毛髪に含まれる元素を調べ、161部では炭素や窒素の安定同位体を分析して、どのような食品を多く食べていたのかを推定しました。
毛髪が得られた本の多くは京都、大阪、東京で出版されており、年代は17世紀中ごろから19世紀末までに及びます。
分析の結果、当時の都市庶民は、米を中心とした植物性食品と海産魚に強く依存していたことが分かりました。
さらに時代が進むにつれ、米や海産物への依存が強まっていった傾向も確認されています。
これは、歴史資料から知られていた「米と魚を中心とした質素な食生活」とよく一致する結果でした。






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