”猫の変顔”から導く「尿による個体識別」の仕組み
猫にとって尿は、単なる排泄物ではなく、マーキングを通して個体情報を残す化学的なサインにもなります。
しかし、ニオイを作る物質は時間とともに蒸発したり変化したりします。
それなのに、どうすれば「誰が残した尿なのか」という情報を安定して残せるのでしょうか。
研究チームが手掛かりにしたのが「フレーメン反応」です。
これは、猫が尿などを嗅いだ後に口を半開きにして上唇を持ち上げる行動で、ニオイに含まれる化学物質を「鋤鼻器」と呼ばれる感覚器官に取り込む行動と考えられています。
When Your Cat Smell Your Feet😹 pic.twitter.com/UyzFgSejFt
— We don’t deserve cats 😺 (@catsareblessing) August 22, 2025
まず研究者たちは、同じ個体の尿を猫に繰り返し提示した後、別の個体の尿へ切り替え、嗅ぐ時間やフレーメンの変化を調べました。
さらに、フレーメンを手掛かりに尿中の脂質成分を分析し、猫の尿から13種類の「分岐鎖脂肪酸」を発見しました。
そして、その組成が同じ猫の中でどの程度安定しているか、尿を25℃で24時間置いた後にも特徴が残るかも確かめています。
加えて、分岐鎖脂肪酸以外の尿中脂質を同じ条件にそろえ、分岐鎖脂肪酸だけを別個体由来の組成に替える行動試験も行っています。
また、体内でこれらの物質がどこに蓄えられているのかを調べ、イエネコ以外のネコ科動物とも比較しました。
その結果、分岐鎖脂肪酸の種類と比率は個体ごとに異なる一方、同じ猫では比較的安定しており、猫自身もその組成差を嗅ぎ分けられることが分かりました。
さらに、その安定性を支える可能性のある「貯蔵庫」が腎臓に見つかりました。
より詳しい結果を次項で見ていきます。






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