暑さで航空機が遅延や欠航? 夏の晴天が休暇を台無しにするかもしれない理由

57 分前 1

(CNN)  夏の暑い晴天が原因で、搭乗予定の便が遅延したり、場合によっては欠航したりするとは、乗客は想像していないかもしれない。しかし、熱波は航空機の運航に危険をもたらすことがある。

高温は航空機の性能に影響を及ぼし、運航の遅延や重量制限、給油のための途中着陸、場合によっては欠航につながることもある。

米ユナイテッド航空のパイロットとして数十年にわたり勤務したエンブリー・リドル航空大学のケーリー・グラント教授によると、「夏の暑い日は、雪や氷と同じように運航に影響を及ぼす可能性がある」という。

その理由は、突き詰めれば空気力学にある。

航空機は、離陸時にエンジンの働きを助け、翼が揚力(ようりょく)を生み出すために、密度の高い空気を必要とする。気温が上昇すると空気の分子同士の間隔が広がり、空気の密度が低下して薄くなる。気温が非常に高くなると、離陸は大幅に難しくなる。

「エンジンは、取り込んだ空気を内部に通して後方へ噴き出す必要がある。前方から入ってくる空気が少なければ、後方へ出ていく空気も少なくなる」とグラント氏。「翼の上を空気が流れる必要がある。翼の上を流れる空気が少なければ、生み出される揚力も小さくなる」

物理学の話は複雑かもしれないが、安全な離陸を確保するため、航空会社には二つの選択肢がある。より長い滑走路を使って十分な速度を得るか、航空機の重量を減らす必要がある。

しかし、滑走路を延長するための土地や予算がない空港もあり、その場合、航空会社に残された現実的な解決策は、機体の積載重量を減らすことだけになる。

米連邦航空局(FAA)はCNNに寄せた声明で、「場合によっては、貨物や乗客を降ろすことで航空機の重量を減らし、安全に離陸できるようにする。また、乗客全員を搭乗させるために燃料の搭載量を減らすこともできるが、その場合、目的地に到着するまでに給油のための途中着陸が必要になる可能性がある」と説明した。

もっとも、暑さがあまりに厳しく、そもそも飛行できないこともある。FAAは、「重量を減らすという方法もあるが、気温が、その航空機の試験時にさらされた最高温度を上回ることもある。その場合、運航マニュアルには、その航空機の飛行を可能にするデータがない」と述べた。

猛暑は航空機の性能に影響を及ぼすだけでなく、乗務員や乗客にも影響を及ぼす可能性がある。

「暑さはエンジンや航空機に影響を及ぼすが、人にも影響を及ぼす」とグラント氏。「暑い時には、人のパフォーマンスも低下する」

暑い地域で働く空港の地上係員は過酷な暑さにさらされる可能性もあり、航空会社は従業員の健康を守らなければならない。

サウスウエスト航空はCNNへの声明で、「従業員が十分な水分を補給し、体を冷やす場所を確保できるよう、万全の暑さ対策計画も実施している」と説明した。

客室内では、航空会社は乗客が快適に過ごせるようにしたいと考えている。サウスウエスト航空は、「飛行機がゲートに到着する際、客室乗務員が乗客に窓の日よけを閉めるよう求めることがあるのはそのためだ。機内をできるだけ涼しく保つ狙いがある」と付け加えた。

米海洋大気局(NOAA)によると、7月は米本土48州で1895年以降、観測史上最も暑い月となった。

CNN提携局KVVUによると、先月には猛烈な熱波の中、ラスベガス発のアメリカン航空便で乗客32人に降りてもらう措置が取られた。乗客のジャレッド・ガインズさんは、「32人が予定を変更するか、私たち全員が予定を変更するかのどちらかだ。このままでは文字通り離陸できない」と説明されたと話した。

暑い天候によって引き起こされる問題は、以前より多く見られるようになっている。米環境保護局(EPA)によると、近年は熱波の暑さが増し、発生頻度も高まっている。

つまり、暑い天候の中では、乗客は遅延や欠航に備える以外、ほとんど選択肢がない状況にたびたび置かれることになる。

グラント氏は、「航空会社は常に安全を最優先に考えているので、こうした措置が取られても不安になる必要はない」と話す。「ただ、皆さんへの私の一番のアドバイスは、柔軟に対応し、料金を支払って利用している航空会社から何かを得られる機会だと、前向きに捉えることだ」(グラント氏)

記事全体を読む