座礁したザトウクジラ、デンマーク沖で死を確認 弱り切った状態で救出強行、動物虐待巡る論争に

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(CNN)  デンマーク環境保護庁は16日、浅瀬に座礁して何週間も身動きできなくなっていた若いザトウクジラの「ティミー」について、デンマーク沖で死んでいるのが見つかったと明らかにした。ティミーは論議を呼んだ救出活動で数週間前に自由の身となったばかりだった。

環境保護庁の部門責任者、ジェーン・ハンセン氏はCNNの取材に「アンホルト島の近くで座礁していたザトウクジラは、以前にドイツで座礁して救助対象となった個体と同じだ」と語った。

救出活動中に取り付けられ故障した追跡装置を職員の1人が発見し、回収。クジラの個体特定につながった。

ハンセン氏によれば、「装置の位置と外観から、以前ドイツ沖で見つかって処置を受けたクジラと同じ個体だと確認された」という。

ティミーは15日、デンマークとスウェーデンの間のカテガット海峡に浮かぶアンホルト島の近くで見つかった。以前に解放された場所からは約130キロ離れている。

ティミーは3月初め、ドイツのビスマール港で漁網に絡まっているところを初めて発見され、緊急対応チームによって解放された。3月末には、ドイツ北部沿岸の町ティメンドルファー・シュトラント付近の浅瀬に迷い込んで座礁。この町にちなんで「ティミー」との愛称が付けられた。これをきっかけに大規模な救出活動が展開され、苦境が世界中にライブ配信される中で、メディアにも幅広く取り上げられた。しかし救助隊はティミーを解放できず、健康状態が悪化したことから、救出は中止になった。

ティミーは4月末、注水した艀に乗せられて北海へと運ばれた/Philip Dulian/AP
ティミーは4月末、注水した艀に乗せられて北海へと運ばれた/Philip Dulian/AP

ところが、ティミーは弱り切っていて生き延びるのは無理だと警告する声が科学者から上がっていたにもかかわらず、民間の資金で艀(はしけ)の中へ誘導して外洋に輸送する別の救出策が強行された。

座礁している間、ティミーはほとんど動けない状態が続き、呼吸も不規則で、バルト海の低い塩分濃度によって発症した深刻な皮膚疾患に苦しんでいた。

批判派の目には、救出活動は動物虐待の一種であり、理由もなくクジラに深刻なストレスを与えるものと映った。

環境保護団体グリーンピースの海洋生物学者、ティロ・マック氏は4月、ティミーの救助が進められていた時にAP通信の取材に応じ、「このクジラは今にも死ぬだろう」とコメント。「私はこう問いたい。それのどこがそんな悪いことなのか? 動物は生き、死んでいく。このクジラは極めて深刻な病状にあり、安息を求めていた」と問いかけた。

一方で、民間による救出活動を許可した地元州のティル・バックハウス環境相はAP通信に対し、「命がかかっている時はどんなわずかな可能性でも活用する」のが当然の対応だと語った。

デンマーク環境保護庁によれば、ティミーの死骸を撤去する計画はない。「現時点では、当該海域で問題になることはないと見なされているため」だという。

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