
この記事の要点
- ミャンマー連邦議会が反オンライン詐欺法案を可決
- 仮想通貨詐欺に最高で終身刑、大統領承認後に施行
ミャンマー、仮想通貨詐欺に最高で終身刑
2026年7月28日、ミャンマーの連邦議会が両院合同会議で「反オンライン詐欺法案」を可決したことが、国営紙GNLMの報道で明らかになりました。
法案の柱はオンライン詐欺に対する厳罰化で、5月に公開された草案では、オンライン詐欺センターの運営や仮想通貨(暗号資産)を使った詐欺に最高で終身刑を科すと定めています。
これより重い刑が置かれたのは、暴力や拷問、不法な逮捕や監禁で他人にオンライン詐欺を強要する行為で、懲役10年から終身刑に加え、強要された人が死亡した場合には死刑を科すとしています。
法案が法律として効力を持つには大統領の承認と施行日の公示を経る必要があり、承認や施行の時期はいずれも今後の発表を待つ段階となっています。
FATF暗号資産基準の実施報告書
強まる詐欺拠点への包囲網と法律の実効性
人身売買で集められた詐欺の実行役
厳罰の対象として名指しされてきた拠点の一つが東部カレン州のシュエコッコで、米財務省は2025年9月、この地域で詐欺拠点を運営する9つの対象を指定しました。
同省は指定の理由として、武装組織カレン民族軍(KNA)の庇護のもとで仮想通貨投資詐欺の拠点が築かれ、人身売買で集められた人々が実行役として詐欺に従事させられてきたと説明しています。
こうした詐欺の被害は米国内にも及び、同省は米国人が2024年に東南アジア発の詐欺で失った額が100億ドル(約1兆6,380億円)を超え、前年から66%増えたとの推計を示しています。
インターポール主導、97カ国の一斉摘発
こうした被害の広がりと並行して国際的な摘発も国境を越えており、国際刑事警察機構(インターポール)は2026年7月9日、97カ国・地域が参加した共同捜査の結果を公表しました。
同組織によると、この共同捜査「ファーストライト2026」では1月15日から4月30日までに5,811人が逮捕され、2億9,300万ドル(約480億円)相当の資産が差し押さえられました。
共同捜査で摘発された事例の一つがタイで、ロマンス詐欺の収益を複数の仮想通貨へ振り分け、チェーンをまたぐ交換で資金の流れを隠す手口が確認されました。
この事件ではタイ警察が2人を逮捕しており、うち20歳の容疑者が管理していたウォレットは、10カ月間で1億2,250万ドル(約200億円)を超える資金を処理していたと同組織は説明しています。
同捜査にはミャンマーも参加国として名を連ねており、東南アジアではこの1年、複数の国が合同で詐欺拠点を一斉に摘発する動きも相次いでいます。
効力発生までに残る手続き
今回可決された法案は、大統領の承認を経て初めて効力を持つため、施行日が示されるまでにはなお手続きが残されています。
現時点では承認の時期や施行日は明らかになっておらず、罰則の詳細についても改正条文の公表を待つ必要があります。
一方、国境地帯には民族武装勢力の支配が及ぶ地域も多く、法案の施行後に実効性をどこまで確保できるかが課題となります。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=163.80 円)
関連の注目記事はこちら
Source:国営紙GNLM報道
サムネイル:AIによる生成画像

4 時間前
1










English (US) ·
Japanese (JP) ·