一緒にいて「楽な人」でいることの3つのデメリット

4 週間前 7

「楽な人」は”自分”が分からなくなる

まず、「一緒にいて楽な人」とはどんな人なのでしょうか。

一般には、柔軟で、相手の都合に合わせやすく、感情を荒立てず、その場を穏やかに保てる人のことです。

こうした性質は、実際には高い対人スキルでもあります。

相手の気持ちを読み、必要以上にぶつからず、場に応じて振る舞いを変えられるからです。

ただし、問題はこの態度が「必要な場面で使うスキル」ではなく、「いつでもそうしていなければならない自分」になってしまうことです。

相手に合わせることが当たり前になると、自分の感覚を確かめる機会が少しずつ減っていきます。

たとえば、どこへ行きたいか、何を食べたいか、どんな休日の過ごし方が心地よいかといった、小さな好みです。

本来なら、こうした日常の選択は自分の感覚を手がかりに決めるものです。

ところが、いつも先に相手の都合を考えていると、自分の中の「私はこれがいい」が弱くなっていきます。

ここで参考になるのが、自己概念の明確さに関する研究です。

2023年の研究では、自分の考えや感情、価値観をどれくらいはっきり捉えられているかという「自己概念の明確さ」と、主観的幸福感との結びつきが調べられました。

その結果、自己概念が明確な人ほど幸福感が高い傾向がみられ、両者が関係していることが示されています。

つまり、自分が何を感じ、何を望んでいるのかが曖昧になっていくことは、心の満足感の低さと結びつく可能性があるのです。

ここで厄介なのは、本人がそれを「問題」だと感じにくいことです。

多くの場合、それは「私は柔軟だから」「相手に合わせられるから」と前向きに理解されます。

けれども、相手に敏感である一方で、自分には鈍くなっていく状態が続くと、人生の細かな選択がだんだん「自分のもの」ではなくなっていきます。

急に自分を失うわけではありませんが、少しずつ自分の輪郭が曖昧になっていき、同時に幸福でもなくなっていきます。

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