ワシントン(CNN) トランプ米大統領は29日、ロシア船籍の石油タンカーがキューバに向かうことを米国が容認する考えを示した。深刻化するエネルギー危機に直面するキューバに対して事実上の燃料封鎖を行ってきた政権の方針を覆す動きとなる。
米国はここ数カ月、共産党政権が続くキューバへの圧力を強めてきた。最大の石油供給国だったベネズエラからの供給を停止したほか、ほかの供給国にも追加関税を警告するなどした。米国はキューバを「深刻な脅威」と位置づけている。
事実上の石油封鎖によって、首都ハバナでは停電が起き、ごみが山積している。病院も、エネルギー不足のため患者の受け入れや手術室の稼働に苦慮している。
米テキサス大学エネルギー研究所のホルヘ・ピニョン氏はCNNに対し、約73万バレルの石油を積んだロシアのタンカーがキューバ沖で確認されており、数日以内に到着する可能性があると語った。船舶追跡サイト「マリントラフィック」によると、29日夜時点でタンカーはキューバのオルギン州の沖合にいて、石油物流拠点のマタンサス港に早ければ31日にも到着する可能性がある。
トランプ氏は29日、大統領専用機エアフォースワンの機内で、タンカーがキューバに向かっていることを認めた。
トランプ氏は「今、どこかの国がキューバに石油を送ろうとしているなら、私は全く問題ない。ロシアであろうと、ほかのどこであろうと、受け入れることを歓迎する。人々には暖房も冷房も、そのほか必要なものすべてが要るからだ」と述べた。
キューバにとってベネズエラは最大の石油供給国だった。だが、米国が1月にベネズエラのマドゥロ大統領を拘束して以降、キューバはベネズエラから石油を受け取っていない。メキシコなどほかの国からの供給も、米国が原油を直接・間接に供給する国々に追加関税を課すと警告したことで途絶えた。
この燃料不足によって、停電の回数と長さは増え、ガソリン不足や価格高騰、インフラ悪化も深刻化している。ここ1カ月だけでも、ハバナを含む各都市が暗闇に包まれる全面停電が何度も起きている。
石油不足は公共サービスや食料輸送にも打撃を与えており、いくつかの都市では、市民が鍋やフライパンを打ち鳴らし、暗闇の中でたき火をするなど、異例の抗議も起きている。
ロシア大統領府は先週、キューバ支援の可能性について同国政府と協議していると明らかにしたが、燃料を積んだタンカーがキューバに向かっていることには触れていなかった。
トランプ氏は29日、タンカーの通過を認めることはロシアのプーチン大統領を利するのではないかとの見方を退けた。
トランプ氏は「プーチン氏が失うのは石油の船1隻分だけだ。それだけのことだ。プーチン氏がそうしたいなら、ほかの国々がそうしたいなら、私にとっては大した問題ではない」と語った。

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