イスラエル議会、パレスチナ人に対する死刑拡大を可決

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イスラエル・テルアビブ(CNN) イスラエル議会は30日、テロ行為や民族主義的殺人で有罪判決を受けたパレスチナ人に対する死刑適用範囲を事実上拡大する、物議を醸す法案を可決した。これは、同国の極右勢力にとって10年以上にわたり重要な争点となってきた問題だ。

この法案は、ヨルダン川西岸地区の住民が「イスラエル国家の存在を否定する意図をもって」イスラエル人を殺害した場合、死刑を宣告すると規定している。裁判所には「特別な理由または状況」に基づき、死刑の代わりに終身刑を科す権限が与えられる。死刑が宣告されれば、イスラエルの刑務所は判決後90日以内に絞首刑を執行し、控訴権は認められないとしている。

この法案は、民族主義的犯罪で有罪判決を受けたパレスチナ人のみに死刑を適用することを事実上定めており、ユダヤ系イスラエル人がパレスチナ人に対して行った民族主義的殺人は対象外としている。このため、人権団体から強い非難の声が上がっている。

ヨルダン川西岸地区のパレスチナ人は軍法の適用を受ける一方、イスラエル人入植者にはイスラエルの民法が適用される。この法案は、占領下のヨルダン川西岸における軍事裁判所の規則を改正し、裁判官が全員一致の判決を必要とせずに死刑を宣告できるようにするもの。ただし、この法律は2023年10月7日の虐殺に関与したイスラム組織ハマスの戦闘員には適用されない。これは政府が、専用の法廷を設置するための別の法案を推進しているためだ。

非難と法的異議申し立て

イスラエルの人権団体と市民社会団体の連合は、この法案を「パレスチナ人に対する報復と人種差別的暴力政策への公式な承認」だと非難した。同連合は、この法律は「イスラエル人を免除しながらパレスチナ人を標的にしている」点で特に悪質だと指摘した。

パレスチナ囚人協会(PPS)も声明でこの法案を非難し、「歴史的なエスカレーション、すなわちパレスチナ人囚人に対する公然と承認された政治的動機に基づく処刑の新たな段階」だと述べた。

この法案は既に法的異議申し立てに直面している。採決直後、イスラエル市民権協会(ACRI)は最高裁判所に法案の却下を求める訴訟を起こした。野党議員や批判派は、この法案が最高裁によって違憲と判断される可能性が高いと見ている。

極右の国家安全保障相、イタマル・ベングビール氏が推進したこの法案は、賛成62票、反対48票、棄権1票で第2読会と第3読会を通過した。

シャンパンボトルをイスラエル議会に持ち込んで祝ったベングビール氏は、法案が採決にかけられなければ連立政権から離脱すると以前から脅迫していた。

ネタニヤフ首相は、ガザ地区で拘束されているイスラエル人の人質に対する報復の可能性を懸念し、当初は法案に反対していた。しかし、ガザ停戦の実施を受けて立場を転換し、法案の審議を進め、最終採決で賛成票を投じた。

イスラエルは現在、反逆罪やナチス政権下で起きた戦争犯罪など、例外的な場合にのみ死刑を認めているが、数十年間死刑執行は行われていない。建国以来、イスラエルで死刑が執行されたのはわずか2人のみ。一人は1948年に反逆罪で処刑されたイスラエル軍将校で、もう一人はホロコースト(ユダヤ人大虐殺)の主要な責任者だったアドルフ・アイヒマンだ。後者はアルゼンチンでイスラエルの諜報(ちょうほう)機関に逮捕された後、イスラエルで行われた画期的な裁判で有罪判決を受け、1962年に絞首刑に処された。

今回の採決に先立ち、ドイツ、フランス、イタリア、英国はイスラエル議員に対し、この法案を撤回するよう強く求め、法案の差別的な性質について「深い懸念」を表明していた。

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