保管庫に眠っていた「南極初の恐竜化石」
問題の化石は、1985年12月、英国南極観測隊の遠征中に南極半島近くのジェイムズ・ロス島で採集されました。
採集したのは、英国の地質学者マイケル・トムソン氏と、ドイツの地質学者・古生物学者ラインハルト・フェルスター氏です。
当時、2人は島の岩石層を調査しており、無脊椎動物や植物、魚のうろこなど、多くの化石を見つけていました。
その中に、大きな椎骨の化石も含まれていました。
ただし、この骨は当初、海棲爬虫類のものと考えられていたようです。
発見時の記録も簡単なメモとスケッチだけで、長い化石リストの中の1点として扱われました。
その後、この標本は英国南極観測隊のアーカイブに保管され、長いあいだ詳しく調べられることはありませんでした。
ところが近年、研究者がこの骨を見直したところ、単なる海棲爬虫類ではない可能性が浮かび上がりました。
詳しい再分析の結果、この骨は首長の草食恐竜グループである「竜脚(りゅうきゃく)類」の尾椎、つまり尾の付け根に近い部分の骨だと判断されたのです。
チームによると、これは「南極大陸で最も早く採集された恐竜化石になる」といいます。
さらに形態の特徴から、ティタノサウルス類に属する可能性が高いとされました。
ティタノサウルス類は、長い首と尾をもつ竜脚類の一群で、地球史上最大級の陸上動物を含むグループです。
ただし、今回の標本は断片的で、種名までは特定できません。
つまり、この骨は「新種の恐竜が見つかった」というより、「40年前に採集されていた骨が、実は南極で最初に採集された恐竜化石だった」とわかった点に大きな意味があります。






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