香港、トークン化決済が「24時間365日」対応へ|ブラックロックらも参加

1 日前 2

音声で聞く

この記事の要点

  • 香港HKMAがトークン化預金の24時間決済を開始
  • ブラックロックら20社参画、商用化が本格化

まずはトークン化預金を詳しく

香港のトークン化決済が24時間対応へ

香港金融管理局(HKMA)は2026年11月2日、プロジェクト・アンサンブル(Project Ensemble)のパイロット「EnsembleTX」で、トークン化中央銀行マネー(CeBM)を使った銀行間決済の24時間365日対応を発表しました。

これにより、参加銀行は従来の営業時間に制約されることなく、トークン化預金を使った取引の銀行間決済を実行できるようになります。

法人の資金管理やトークン化金融商品の取引を支える決済基盤が拡張され、HKMAは24時間稼働する世界のデジタル金融市場の需要に応えるものだと説明しています。

こうした取引を実用化するためのEnsembleTXには、銀行12行と業界パイオニア企業20社が参加しており、商用化に向けた取り組みが進んでいます。

法人資金管理やMMF取引も24時間決済に対応

2025年のパイロットから常時決済へ進化

EnsembleTXは、HKMAが2025年11月13日に開始したパイロットプログラムで、トークン化預金とデジタル資産を使った実取引の検証が進められてきました。

開始当初は香港ドルのRTGS(即時グロス決済)システムを銀行間決済に利用しており、HKMAは将来的にトークン化中央銀行マネー(CeBM)による24時間決済へ移行する計画を示していました。

今回の機能拡張によってその計画が実現し、参加銀行はRTGSの稼働時間に左右されず、夜間や休日もトークン化預金を使った取引の銀行間決済を行えるようになっています。

EnsembleTXは2026年を通じて運用される計画となっており、決済基盤の拡張と並行して、トークン化預金を使った実取引の検証が続けられています。

ブラックロックやHSBCなど大手企業が集結

EnsembleTXでは、銀行が提供するトークン化預金を使い、法人の資金管理やトークン化マネー・マーケット・ファンド(MMF)の取引がすでに行われています。

こうした取引を行う枠組みには、資産運用大手ブラックロック(BlackRock)やアント・インターナショナル(Ant International)、チャイナ・アセット・マネジメント(香港)などが業界パイオニアとして参加しています。

トークン化預金を提供する銀行には、中国銀行(香港)、中国建設銀行(アジア)、中国工商銀行(アジア)、スタンダードチャータード銀行(香港)、HSBCなどが名を連ねており、銀行と資産運用会社が参加する取引基盤の構築が進んでいます。

SFC初承認、トークン化ファンドの二次取引が始動

トークン化MMFの流通市場でも進展があり、香港証券先物委員会(SFC)は2026年10月26日、認可された暗号資産取引プラットフォームにおけるトークン化公募ファンドの二次取引を初めて承認しました。

同日には、チャイナ・アセット・マネジメント(香港)が運用する香港ドル建てと米ドル建てのトークン化MMF2本について、24時間365日の二次取引が始まっています。

EnsembleTXの新機能について、SFCのジュリア・レオンCEOは、トークン化預金による24時間決済がファンドの二次取引を支え、市場流動性の向上や投資家のリスク管理に寄与するとの見方を示しました。

SFCはトークン化ファンドの二次取引について、市場動向や運用実績を踏まえながら、対象商品の拡大を検討する方針も明らかにしています。

香港のトークン化金融、商用化が本格始動

香港ではトークン化預金の実用化が進められており、2026年9月には政府が発行したデジタルグリーン債で、EnsembleTXを通じたトークン化預金が香港ドル建て債券の発行時決済に採用されました。

こうした実績について、HKMAのエディ・ユー総裁は、プロジェクト・アンサンブルが約2年間で実験・パイロットから商用化を促進する新たな段階へ移行したと評価し、世界的にトークン化預金を提供する銀行が増えているとの認識を示しています。

今回の24時間決済の実現によって、香港ではトークン化預金を使った実取引に加え、営業時間外の銀行間決済を支える基盤も整いました。HKMAは今後、市場参加者による取引規模の拡大と新たな商用サービスの開発を促す方針を示しています。

>>トークン化関連の最新ニュースはこちら

Source:HKMA発表
サムネイル:AIによる生成画像

記事全体を読む