氷点下の海底で見つかったダンゴイカ
撮影場所は、世界最大の国立公園である北東グリーンランド国立公園内のコン・オスカー・フィヨルドです。
この地域は広大でありながら、北極圏でも特に海洋生物の調査記録が少ない場所です。
研究チームは2025年9月、小型探検船から軽量の遠隔操作型無人潜水機(ROV)を投入。
ROVには4Kカメラや照明に加え、対象の大きさを測るため、10センチメートル間隔のレーザーが取り付けられていました。
約60分間の潜航中、水深50メートルの岩壁付近で、海底を泳いだり休んだりする1匹のダンゴイカが見つかりました。
実際に撮影された映像がこちら。
※ 視聴の際は音量にご注意ください。
レーザーを基準にすると、その体長は約10センチメートルです。
周囲の水温は約マイナス1.6℃でした。
研究者たちは、映像に写った体の形や大きさ、極低温の環境などを、北極圏に生息する3種のダンゴイカと比較しました。
さらに、近くで見つかった卵の形や付着方法も合わせた結果、この個体をホッキョクダンゴイカ(Rossia moelleri)と判断しています。
ホッキョクダンゴイカは、北極圏に生息する3種の中で最も大きく、寒冷な環境への適応度が高い種です。
ただし、今回の個体は捕獲されておらず、遺伝子や体内の構造が調べられたわけではありません。
種の同定は、高精細映像に見える外部形態や卵、周囲の環境を総合して行われています。






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