『豊臣兄弟!』に視聴者ガッカリ。歴史用語“誤り“で謝罪&“重要な合戦”をナレ処理

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NHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』をめぐり、公式SNSによる歴史用語の誤記と、劇中における重大な歴史的合戦の大胆な省略演出が重なり、歴史ファンや視聴者の間で批判の声があがっています。

公式Xが用語誤記で謝罪。「伴天連追放令」を「キリシタン追放令」と表記

事の発端となったのは、ドラマの公式Xアカウント(@nhk_toyotomi)による予告投稿です。第42回の放送を前にした告知文の中に歴史用語の誤りがあり、ユーザーからの指摘を受けて投稿を削除・訂正する事態となりました。

公式アカウントは10月31日、以下の謝罪文を投稿しています。

「昨日の第42回の予告投稿内に『キリシタン追放令』という表記がありましたが、『伴天連追放令」の誤りでした。先の投稿は削除し、改めて投稿いたします。大変失礼いたしました」

豊臣秀吉が天正15年(1587年)に出したのは、キリスト教の宣教師(バテレン)に対して国外退去を命じた「伴天連追放令」です。一般に信教そのものを禁止・処罰し、キリスト教信徒の国外追放や弾圧へと至った江戸幕府(徳川家康ら)の「禁教令」とは、発令の主体も歴史的意義も異なります。

大河ドラマの公式発信において、戦国・安土桃山時代の重要施策に関する基本的な用語の取り違えが起きたことに対し、SNS上では厳しい視線が注がれました。

秀長の大きな武功・九州征伐がナレーションのみ。視聴者ブーイング

公式SNSの誤記に続き、歴史ファンを失望させたのが、第42回「北野大茶湯(きたのおおちゃのゆ)」本編の演出でした。

ドラマの冒頭では、徳川家康を臣従させた豊臣兄弟が、九州最大の勢力を誇る島津氏を討つために大軍を送り制圧したことが短いナレーションで説明されました。

九州征伐の戦闘や秀長の活躍が具体的に描かれることはなかったため、SNSでは「開始20秒で九州平定終了」「秀長が主人公なのに九州征伐どころか大友宗麟も省略されるとは」「恐れていたことが」「秀長主役でナレ九州征伐する異常大河」などの反応が寄せられました。

史実では秀長が大活躍した「九州征伐(九州平定)」

歴史上、天正15年(1587年)に行われた「九州征伐(九州平定)」は、秀吉の天下統一事業における大規模な軍事作戦であると同時に、主人公である豊臣秀長(仲野太賀さん)にとっても、最も重要な軍事的キャリアの一つともいえる出来事です。

当時、島津氏は九州の広い範囲に勢力を伸ばしており、一方、豊後の大友氏は島津氏の攻勢に苦しみ、秀吉に救援を要請しました。秀吉は島津氏に停戦を命じたものの従わなかったため、全国の大名に動員をかけ、約20万の軍勢による九州征伐を決行しました。

秀吉と秀長は軍勢を二手に分け、秀吉の隊が筑前・肥後方面から、秀長が豊後から日向方面へと進軍しました。

難所を越えて進軍した秀長は、九州の覇者・島津義弘や島津家久らを相手取った「根白坂の戦い(ねじろざかのたたかい)」で堅牢な陣城を築いて迎え撃ち、島津軍の夜襲を撃退。島津氏を降伏へと追い込む大きな役割を果たしました。

「九州征伐(九州平定)」は、秀長の卓越した統率力と軍才で勝ちをおさめた晴れ舞台です。大河ドラマで主要な戦いや登場人物の死がナレーションのみで済まされる演出(通称「ナレ死」「ナレ合戦」)自体は珍しくないものの、『豊臣兄弟!』では過去に長篠の戦いもナレーションで済ませたこともあり、作劇方針を問う疑問の声が上がったようです。

『豊臣兄弟!』の脚本を手がける八津弘幸さんは、これまでに『半沢直樹』『下町ロケット』『陸王』『おちょやん』『家政夫のミタゾノ』などのテレビドラマを担当。映画『爆弾』でも脚本を手がけています。

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