(CNN) 肉食恐竜ティラノサウルス・レックス(Tレックス)の腕は、なぜあんなに小さいのか――。その謎がついに解明されたのかもしれない。最強の恐竜にとって最も奇異なこの特徴はジョークのネタにもなり、理由については100年以上にわたって論議が交わされてきた。
Tレックスの腕の長さは90センチほど。後ろ足の3分の1にも満たない。成体で12メートルを超すこともある巨大な体と比べると、あまりにも不釣り合いに見える。
Tレックスのような肉食恐竜は腕の小さい種が多い。その理由については獲物を押さえつけるため、求愛行動のため、あるいは噛(か)まれないようにするためといったさまざまな説が唱えられているものの、今に至るまで定説はなかった。
5月20日の英学術誌に掲載された新研究は、そうした論議に決着をつける狙いがあった。研究チームは恐竜85種の分析をもとに、腕が小さくなったのは、頭蓋骨(ずがいこつ)が大きくなり続けて資源を消費した代償だったと結論付けた。
「頭蓋骨の造りが非常に頑丈な恐竜は、前肢が非常に小さくなる確率が高い」。論文の筆頭著者を務めた英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの博士課程学生、チャーリー・ロジャー・シェラー氏はそう解説する。「大きさは関係ない。体重1トンであろうと10トンであろうと、頭蓋骨が頑丈であれば、腕は比較的小さくなる」
その理由について「進化は何もかもが同時に起こることを好まない」と同氏は指摘する。進化の過程では一方が他方より優先される傾向がある。「大きな獲物を仕留めるために頭を使うことに集中したければ、爪の付いた腕を長くし続けることにそれほど労力を注ぎたくはない。恐らくその必要はほとんどないので。そこで進化はこう言った。『もう腕はいらないから小さくしよう。頭蓋骨を強くして主力武器として使うことにもっとエネルギーを使おう』」
肉食恐竜の前肢の縮小と頭蓋骨の増大の関係については、これまでの研究でも示唆されていた。しかしシェラー氏によると、今回の研究では初めて5科の恐竜についてこの傾向を確認し、理論を統計で裏付けた。

2 時間前
2




English (US) ·
Japanese (JP) ·