福島で「働き方」セミナー。専門家の講演に「滝行のような衝撃」と知事。攻めの改革とは

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地元企業の「働き方改革」を後押ししようと、福島県は6月2日、福島市で「『感働!ふくしま』魅力ある職場づくり事業トップセミナー」を開催した。

働き方改革や人的資本経営に関心をもつ経営者や人事労務担当者、経済団体などが参加。

3000社以上の働き方改革に携わってきたコンサルティング会社「ワーク・ライフバランス」(東京)の小室淑恵社長による基調講演のほか、内堀雅雄知事らを交えたパネルディスカッションが行われた。

小室社長が訴えた改革の中身

基調講演に立った小室社長は、2019年の働き方改革関連法施行以降、育児や介護、残業・転勤が難しい人材も再び労働市場に戻れるようになったと説明した。

ただ、「こうした労働力をいかせるのは、働き方改革が進んでいる企業だけ」と述べ、各企業が改革に取り組むことが急務だと訴えた。

日本は労働時間が長いにもかかわらず、生産性が上がっていないという現状も示し、女性や育児・介護に携わる人など多様な人材が働ける職場をつくることが、働く世代が減る時代を乗り切る活路になると強調した。

働き方改革は家庭の問題とも密接に関わる。

産後うつのピークは出産から2週間〜1カ月とされており、これを防ぐためにも夫が一定期間の育休を取ることが重要だと語った。

また、若年男性の約9割が育休取得を希望し、約3割が半年以上を望んでいるという最近の調査結果も紹介した。

「攻めの働き方改革」の具体策としては、勤務と勤務の間に一定の休息時間を確保する「勤務間インターバル」の導入を提唱。

育児・介護など事情がある人だけでなく、職場の全メンバーが早く帰れる環境、誰もが意見を言いやすい「心理的安全性」の高い職場づくりが改革の土台になると話した。

福島市で開かれた働い方改革に関するセミナー
福島市で開かれた働い方改革に関するセミナー

Keita Aimoto

知事「滝行のような衝撃だった」

その後に開かれたパネルディスカッションには、小室社長と内堀知事、中小企業庁経営支援課長の佐伯徳彦さん、県内で先進的な働き方改革に取り組む「有限会社ワシオ商会」(会津若松市)の鷲尾一美さんが登壇した。

内堀知事は小室社長の講演を「滝行のような衝撃だった」と表現。

これまで女性活躍、男性育休、健康経営にそれぞれ取り組んできたとした上で、「別のパーツとして取り組んできたが、やはり一体として取り組まなければいけない」と語った。

また、「政府や自治体がやっているからという受け身の改革ではなく、前向きな思いで取り組むことが大事だ」とも述べた。

このほか、県内のリーダーの多くが男性である現状に触れ、「若者や女性の声を傾聴し、尊重することが重要。それをどう働き方改革にいかすかを男性陣が頑張らないといけない」と指摘。

DX・AI時代において、デジタルネイティブの若者の活躍に本腰を入れる必要性も強調した。

小室社長は、働き方改革に取り組んだ企業の事例として、離職率が大幅に低下し、人材紹介会社を利用せずに多くの人材を採用できたケースを紹介。

「働き方は今、シビアに人から見られている」と説明した。

佐伯さんは、「10年、20年この会社にいたら自分はどうなるのか。家族の生活はどうなるのか。そこに対してどんなメッセージを出せるかが重要だ」と述べた。

鷲尾さんは、不妊治療休暇など多様な制度について、「毎年一つ一つ積み重ねた結果」と語った。

働き方改革が採用力の強化にもつながっており、応募者から「働き方改革をしていることが応募の決め手になった」という声も届いているという。

コスト面では「お金のかからないことから始めることが大切」とし、「意識の高い企業はさらに伸びて、何もしない企業は淘汰されていく。官民一体で取り組むことも大事」と訴えた。

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