生涯で150種以上の虫に刺されてきた男

1 ヶ月前 19

7歳の“実験”から始まった痛みの研究

シュミットが初めて「刺し傷の実験」を行ったのは7歳のときです。

タンポポに止まっていたセイヨウミツバチをつまみ上げ、近くにいた担任教師の腕に乗せました。

「刺すかもしれない」という仮説は見事に的中します。

もちろん、先生にとっては迷惑な結果でした。

そこから彼は自分自身の体を実験台にします。

アメリカ北東部のアパラチア地方で育った彼は、子ども時代に数多くのハチやスズメバチに刺されました。

その経験から、あることに気づきます。

どの刺し傷も痛いが、痛みの「質」が微妙に違うということです。

決定的だったのは、クロナガアリ(Harvester ant)の群れに偶然遭遇したときでした。

それまでの刺し傷とは明らかに違う、予想外の激痛だったのです。

彼はその痛みを「大胆で容赦ない。誰かが巻き爪をドリルで掘り進めているようだ」と描写しました。

この違いはなぜ生まれるのか。

刺し方はどのように進化したのか。

その疑問が、彼を昆虫学、そして化学生態学の道へと進ませました。

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