脳を捨てて生きるホヤ、その人生最大の決断はどこで下される?
脳を捨てて生きるホヤ、その人生最大の決断はどこで下される? / Credit:Canvaホヤはちょっと変わった生き物です。
ホヤは子どものころは脊椎動物に近い姿で、オタマジャクシ型の幼生として海を泳ぎ回ります。
体の中には背骨に似た脊索と単純な脳があり、まさに「小さな魚の原型」といった姿です。
ところが、一度どこかのロープや貝のカゴにくっついてしまうと、尾も脊索も脳もほとんど溶けてしまったような状態になり、「動かないプヨプヨの袋のような姿」で一生を過ごします。
この「どこにくっつくか」は、ホヤにとって一生を決める重大な選択です。
ホヤは脊索動物の中まで私たち脊椎動物に非常に近い種類です。しかし大人になるとその形態は劇的に変化し脳なども溶かして脊索動物に見えないものになります / ホヤは幼生期は遊泳しているが、大人になると固着生物になる Credit:慶応大学海の中には、細菌の膜、ほかの生き物の匂い、フンなど、さまざまな化学シグナル(匂いのもとになる分子)がただよっています。
しかし、こうした匂いのどれが、どんな神経回路(脳の配線図)を通じてホヤ幼生の決断につながるのかは、ほとんど分かっていませんでした。
そこで今回研究者たちは、ホヤがくっ付き先によく選ぶホタテなどの体から染み出す成分に着目し、ホヤ幼生がどんな匂いを「住む場所ナビ」として使っているのか、そしてその匂いが原始的な頭のどんな回路を通って行動と変態を動かしているのかを明らかにしようとしました。
もしこの秘密の物質を特定できれば、ホタテ養殖業などホヤの汚損に悩む産業に、新しい対策のヒントが生まれるかもしれません。









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