永久優先株で「13.5万BTC蓄積」ETPに次ぐ新資金経路に|フィデリティ分析

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この記事の要点

  • フィデリティ、永久優先株で13.5万BTC蓄積と分析
  • 150兆ドル債券市場からBTCへ新資金経路が形成

フィデリティが注目する「優先株×BTC需要」

フィデリティ・デジタル・アセッツのリサーチアナリスト、ザック・ウェインライト氏は2026年10月20日、ビットコイン(BTC)の購入資金を調達する永久優先株が、新たなBTC需要を生み出しているとする分析レポートを公開しました。

同レポートによると、BTC関連の永久優先株を通じて2026年10月5日時点で合計13万5,979 BTC(1.7兆円相当)が蓄積されており、これはビットコインの総供給量の0.5%超に相当します。

こうしたBTC蓄積は、永久優先株を通じて利回りを求める投資家から資金を調達し、ビットコインの購入に充てる仕組みによって支えられており、従来の現物ETPとは異なる資金流入経路を形成しています。

フィデリティは、世界の債券市場が約150兆ドルに達する一方、BTC関連の永久優先株市場は約120億ドル(約1兆8,840億円)にとどまると指摘しており、債券市場からのわずかな資金流入でもBTCの需給に大きな影響を与える可能性があると分析しています。

永久優先株のBTC購入が本格化

2026年春に加速、3カ月で9.5万BTC超

フィデリティのレポートによると、BTC購入資金を調達する永久優先株はストラテジー(旧マイクロストラテジー)が先駆けて導入したもので、同社は2025年7月24日のSEC提出書類で、変動配当型の永久優先株「STRC」の発行を開示しました。

永久優先株はこれまで、主に機関投資家が保有する月次配当型の利回り商品として扱われており、BTC関連商品では隔月から日次まで配当頻度が多様化しています。

永久優先株を通じたBTC購入は2026年春に加速し、フィデリティの集計では3月に2万2,000 BTC超、4月に4万8,000 BTC超、5月に約2万5,000 BTCが蓄積されました。

3カ月間の合計は9万5,000 BTCを超え、4月には1週間で約3万BTCが購入されるなど、同期間の資金調達額は70億ドル(約1兆円)超に達したとフィデリティは報告しています。

ETPとの違い、ストライブも6.3億ドル調達

フィデリティは、この購入実績を2024年1月に登場したビットコイン現物ETP(上場取引型金融商品)と比較しており、現物ETPが初年度に88万8,185 BTCを蓄積したのに対し、永久優先株の購入規模は依然として小さいと指摘しました。

購入規模だけでなく投資家の目的にも違いがあり、現物ETPがBTC価格への直接的な連動を求める投資家を対象とするのに対し、永久優先株には高い利回りを重視する投資家からの需要があると同レポートは分析しています。

永久優先株による資金調達はストラテジー以外にも広がっており、ストライブ社は2026年10月20日、年率15%の「シリーズA永久SATS優先株」700万株を1株90ドルで発行し、総額6億3,000万ドル(約990億円)を調達したと発表しました。

ストライブは調達資金をBTCや関連商品の取得に加え、運転資金、収益資産の購入、株式の買い戻しなどにも充てる方針を公表しています。

年率15%の配当設計とリスク

ストライブが発行したSATS優先株は、1株当たり基準額100ドルに対して年率15%の累積配当が設定されており、2026年11月9日から各営業日を定例配当日とする一方、実際の支払いは取締役会による宣言などの条件に従います。

マット・コール会長兼CEOは、SATSを既存のSATA優先株に対して劣後する資本として位置づけ、SATAの信用力を補強する方針を示しており、両商品で異なる投資家需要に対応する資本構成を打ち出しました。

こうした高配当の永久優先株について、フィデリティは発行企業がBTCの長期的な価格上昇を見込んでおり、保有資産の値上がり率が配当コストを上回ることを前提とした資金調達戦略だと分析しています。

その一方で、永久優先株の成否はBTC価格の動向と発行企業の財務状況に左右されるため、マネー・マーケット・ファンドと同等のリスクを持つ商品ではないとフィデリティは注意を促しました。

買い戻し強化でBTC需要の持続性示す

永久優先株を通じた資金調達を進めるストラテジー社は、2026年10月19日の公式発表で、約1億9,300万ドル相当のSTRC優先株を買い戻すとともに、267 BTCを追加取得したことを明らかにしました。

同社はデジタルクレジット証券の買い戻しプログラムを30億ドルへ拡大したほか、STRCを含む優先株4銘柄の日次配当化について10月28日の臨時株主総会で承認を求める方針を示しており、BTC購入と並行して優先株の価格安定や流動性の向上に向けた施策を進めています。

フィデリティは、永久優先株が新たなBTC需要を生み出す可能性を指摘しており、今後も新たな投資商品の登場や、永久優先株を通じたBTC購入需要の動向を追跡する方針を示しています。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=156.18 円)

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Source:Fidelityレポート
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

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