スーパーに行けば、生栗が並び出していた。ああ、秋だなと目が留まる。もち米と一緒に炊いて、栗おこわでも作ろうか……なんてふと思う時が楽しい。栗の皮むきは手間だけれど、こういうのは日々の食事作りを離れた「趣味の時間」みたいなもの。
春ならフキのすじ取りとか、夏ならトマトの湯むきをして、他の夏野菜も下ごしらえして出汁でゼリー寄せにするとか、あえて手のかかることをやりたい時、というのも季節ごとにある。
秋になると作りたくなるもの、ありますか?

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「秋になると作りたくなるもの、ありますか」なんてSNSで聞いてみたくなった。
栗の産地の方だろうか、「この時季になると、よく栗をもらいます。もらえなければ拾いに行きます」的なリプライを早速いただく。いいなあ……と思わずため息が出た。
一度、栗農家さんを取材させてもらったことがある。地面に落ちた栗はどんどん鮮度が落ちて、味が悪くなるのだそうな。「気温が低い朝のうちに拾って、なるたけ早く冷蔵するのが品質保持には大事なんです」と言われていた。土や草にまぎれた栗を見つけ、拾いまくるため「“栗目”を鍛えるのが必要」、とも。
いろんな言葉があるものだと感じ入る。むきたての栗を素揚げにして、食べさせてもくださった。塩をまぶしただけだが、甘みが増して香ばしく、抜群においしい。秋の旬味が、山の味が凝縮されているように思えた。
「じっくり煮たり、時間をかけて焼く料理」的なお答えも多くいただいた。
例えば、グラタン。一年中食べられているものだけど、家で作るとなれば涼しくなってから、というのは家事担当者なら共感するところ。「ほうれん草ときのこと秋鮭のグラタン」なんて答えに、思わず腹が鳴ってしまう。さっぱりした秋鮭にコクのあるチーズをまとわせて熱々を食べたらさぞかし……。
あ、このトリオで茶碗蒸しも作ってみたくなる。銀杏を加えたらさらに秋が深まるな。
煮物でいえば、「いかとさつまいもの煮物」と書かれた方も。
ああ、おいしそうだ……(今回、やたら「……」を多用してしまう)。里芋とは定番だけど、いかとさつまいもを合わせたことがないので惹かれてしまった。いかの風味をまとったさつまいも、どんな味になるだろう。
秋の愛され者、さつまいも

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「さつまいもって甘いから、ごはんのおかずにならない」という声はよく聞かれる。
私はさつまいもだと、鶏の手羽先とゆで卵とでじっくり味噌煮にして、きぬさやを添える、という煮物を毎年作りたくなる。これ、母が昔によく作っていた料理で、鶏のうま味を吸ったさつまいもが妙においしく、おかずにもいい。汁は辛めの味噌、酒、少々の醤油とみりんでこってりとした味にする。仕上げに七味をふるのもいい。作った日はさつまいもと鶏を食べ、ゆで卵は翌日味がしみたところを焼酎のつまみなんかにすると、たまらない。
さつまいもを挙げた人は多く、秋の愛され者だな、なんて思ってしまった。大学芋を自作する人もいれば、ごはんと炊き込んでごま塩をふる人(さつまいもは黒ごまと相性がいいのかもしれない)、クリームシチューの具にする人、きのこやごぼうと味噌汁にする人も。
ああ、さつまいもが食べたくなってきた。私は、ベーコンとさつまいもを角切りにしてバターピラフにするのも好きである。炊き上がったら、少々の醤油を隠し味的にたらして、同じぐらいの角切りにした生のピーマンと一緒に全体をよく混ぜ、仕上げに黒こしょうをふっていただく。シャキッとしたピーマンがいいアクセントになって、食べ飽きない。
なんだか、さつまいもについて長々と語ってしまった。他に多かった答えはやっぱり、さんま。「普段はほとんど魚グリルを使わないけれど、秋だけはさんまを焼くために使います」、なんて方もいらした。気持ち、分かるなあ。よーし、私も今晩はさんまを焼こう。ちょうど、すだちもある。というわけで、買い物に行ってこよう。おろし用の大根を忘れないようにしなければ。

8 時間前
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