地下洞窟に潜んでいた「新種新属」の盲目魚
発見場所は、ハンツビルにある米陸軍レッドストーン兵器廠の地下に広がるボブキャット洞窟です。
この洞窟では1990年以降、絶滅危惧種のエビの個体数や水質が継続的に調べられてきました。
絶滅危惧種のエビ「アラバマ・ケーブ・シュリンプ」/ CREDIT: en.wikipediaところが2025年2月の調査で、既知の洞窟魚とはどこか異なる魚が見つかりました。
その魚は眼を完全に失い、黒い色素もなく、吻部(ふんぶ、口先)や顎、背中の形にも独特の特徴がありました。
ただし、外見は同じ洞窟に生息する既知のサザン・ケーブフィッシュとよく似ています。
そのため、過去の調査では、2種が同じ魚として数えられていた可能性があります。
【地下洞窟で発見されたデーモン・ケーブフィッシュの画像がこちら】
チームは体の形を詳しく比較し、CTスキャンで骨格を調べ、さらにDNAも解析。
すると、新しい魚は既知のどの属にも収まらない、独立した系統であることが分かりました。
特に注目されたのが、暗い場所で光を感じるために使われる「ロドプシン遺伝子」です。
デーモン・ケーブフィッシュでは、この遺伝子に284塩基対という大きな欠失があり、正常なタンパク質を作れない状態になっていました。
これは暗闇で暮らすうちに、視覚に関係する機能への進化的な制約が弱まった可能性を示しています。
ただし、この結果だけで、魚があらゆる光を完全に感知できないと断定することはできません。
属名の「デモゴルゴニクティス(Demogorgonichthys)」は、地下世界の怪物デモゴルゴンと、ギリシャ語で魚を意味する「イクチス(ichthys)」を組み合わせたものです。
種小名の「アルカヌス(arcanus)」は「隠された」「秘密の」を意味し、長年調査された洞窟に潜んでいた今回の魚にふさわしい名前となっています。






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