新リーダーはなぜ「劇薬」になるのか?
今回の研究テーマは、「新しいリーダーは本当に組織を変えられるのか?」というものです。
経営論や自己啓発では、「優秀なリーダーが組織を変える」という話がよく語られます。
しかし実際には、同じ“改革型リーダー”でも、歓迎される場合と嫌われる場合があります。
ある職場では救世主のように扱われる一方、別の職場では「余計なことをする人」と反発されるのです。
研究チームは、この違いがどこから生まれるのかを調べるため、アメリカの小学校113校を対象に長期追跡調査を行いました。
対象期間は2014年から2017年までです。
対象となった113校のうち、60校では校長が交代し、53校では同じ校長が続投しました。
研究者たちは、過去の学力テスト成績、低所得層の生徒割合、人種・民族構成などが近い学校同士を、同じ地区内で比較対象として組み合わせました。
そして教師たちに対して、校長は魅力的なビジョンを語っているか、現場指導や助言を積極的に行っているか、学校には変化が必要だと思うか、教師たちは仕事に熱意を持てているかなどを複数回アンケートしました。
さらに研究チームは、単なる「気分」だけではなく、学校の成績にも注目しました。
研究では、3年生から5年生を対象に行われる州標準の数学・読解テストの合格率を用いて、学校全体のパフォーマンス変化を追跡しました。
すると、非常に興味深い結果が見えてきました。
新しい校長の積極的なコーチングは、教師たちが「この学校は改善が必要だ」と感じていた場合には、学校全体の熱意を高め、その後の学力テスト成績の改善とも結びついていました。
しかし逆に、「今のままで十分うまくいっている」と感じていた学校では、同じような積極介入が反発を招き、組織全体の熱意を下げてしまったのです。
つまり、新リーダーの成功を左右していたのは、「どれだけ優秀か」だけではなく、“組織が変化を求めていたか”だったわけです。
より詳細な結果を次項で見ていきましょう。









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