「手の届かない相手」に恋することの心理的メリットとは

2 週間前 14

手に入らないからこそ、恋は「可能性」の中にとどまる

簡単には結ばれない相手が、いつまでも魅力的に見えるのには理由があります。

実際の恋愛関係が始まれば、私たちは相手の長所だけでなく、短所や生活習慣、価値観の違いなどにも直面します。

しかし、関係が始まらなければ、そのような「現実によるテスト」はなかなか訪れません。

そのため相手は、自分の期待や理想を投影できる存在であり続けます。

「もしもっと早く出会っていたら」

「もし立場が違っていたら」

「もしあのとき気持ちを伝えていたら」

そんな可能性を、いつまでも想像できてしまうのです。

イギリスの精神分析家、ドナルド・ウィニコット(Donald Winnicott)氏は、人には現実と空想のあいだに「潜在空間(potential space)」と呼べる領域があると考えました。

子どもの遊びや芸術、小説や映画への没頭なども、この現実と想像の中間にある空間で起こります。

私たちは物語が現実ではないことを知りながら、その世界に入り込み、感情を動かされます。

「手の届かない相手」への恋も、似た状態を作ることがあります。

現実には何も始まっていない。

それでも「もしかしたら」という可能性だけは残されています。

だからこそ私たちは、その関係について考え続け、そこに新しい意味を与え続けることができるのです。

そして、この「まだ何者にも決まっていない未来」そのものが、人を強く惹きつけることがあります。

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