人間では男の子のほうがお産が難しい
人間では男の子のほうがお産が難しい / Credit:Canva妊婦健診で赤ちゃんの性別を告げられたとき、多くの人が思い浮かべるのは、名前や服の色、上の子との相性といったことです。
お産そのものの難しさが性別で変わるという話は、あまり聞いたことがないでしょう。
けれども産科の統計を大きくまとめると、差ははっきり現れます。
人間の男の子は、生まれたとき女の子より平均で100〜200グラム重く、体重にして3〜4%の差があります。
頭のまわりの長さ(頭囲)も0.4〜0.6センチ大きくなります。
この体重差は、1768年にさかのぼる記録以来、これまで調べられたすべての人間集団で確認されてきました。
工業化した国でも、そうでない社会でも、大陸を問わず例外がありません。
そしてこの偏りは、産道でのつまずきやすさに直結しています。
実際、子宮がしっかり収縮しているのに、赤ちゃんが産道の途中で進まなくなってしまう状態(分娩停止)は、男の子のほうが多く報告されています。
頭が出たあとに肩が引っかかる肩甲難産も、男の子のほうが発生率が高くなっているのです。
またインドの大規模な調査では、母親の体格も、暮らし向きも、赤ちゃんの大きさもそろえて比べたうえで、息子を産む母親が帝王切開になる確率が3%高いという結果が出ています。
ネパールの調査では、男の子を産む母親がこの分娩停止に見舞われる確率は、18%高くなっていました。
100グラムや200グラムは、体重計の上ではわずかな差です。
それでも結果が変わるのは、出産が「通れるか、通れないか」で決まる出来事だからです。
たとえば引っ越しでソファを運び入れるとき、玄関のドア枠を通るかどうかは数センチで決まります。
1センチ大きいソファは1センチ分だけ通りにくくなるのではなく、ある一線を越えたところで、突然まったく通らなくなります。
産道でも同じ仕組みが働きます。
男の子が平均して数%大きいということは、生まれてくる男の子ぜんたいが、ほんの少しずつ大きいほうへずれるということです。
そうすると平均の差は小さいようにみえて、危険なお産の数はそれよりずっと大きな勢いで増えるのです。
ではこの差は人間だけのものなのでしょうか?







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