(CNN) 2億5000万年前の化石を研究していた研究者たちが、哺乳類の祖先が卵を産んでいたことを示す史上初の証拠を突き止めた。この発見は、驚くべき生き残りの物語にも光を当てている。
9日に米科学誌プロスワンに掲載された研究論文によると、南アフリカで見つかったのは体をきつく丸めたリストロサウルスの胚(はい)の化石。リストロサウルスは「大絶滅」として知られる2億5200万年前の大量絶滅を生き延びたとされる哺乳類の祖先だ。
研究チームは高解像度コンピュータ断層撮影(CT)と、太陽光よりも明るいX線を発生させるシンクロトロンを用いて化石をスキャンし、リストロサウルスの胚の顎(あご)が完全に形成されていなかったことを発見した。

卵の中で丸まった状態の胚を描いたイメージ図/Julien Benoit/Sophie Vrard
この特徴は現代の鳥類やカメの胚にのみ見られるもので、リストロサウルスの胚が死んだ時点で卵の中にあったことの証明になる。研究論文の筆頭著者で南アフリカのウィットウォーターズランド大学進化研究所の准教授、ジュリアン・ブノワ氏はCNNにそう語った。
「リストロサウルスのような哺乳類の祖先が卵を産んでいたと確信を持って言えるのは今回が初めて。この分野での真に画期的な出来事だ」(ブノワ氏)
ブノワ氏によると、これらの卵は革のような柔らかい外殻を持っていたと考えられる。硬い殻を持つ卵が進化するのは、ここから少なくとも5000万年後だという。
またこの化石は、リストロサウルスが「大絶滅」を生き延びた理由を解明する手がかりになる可能性もあるとブノワ氏は付け加えた。ペルム紀末に起きた「大絶滅」で地球上の生物の90%が死滅する中、リストロサウルスがなぜ生存できたのかは長年の謎となっている。
「リストロサウルスは非常に乾燥した砂漠のような環境に生息していた」とブノワ氏。干上がった川床で餌を探し、柔らかい泥地を探して潜り込み、長期間の干ばつを乗り切っていたと考えられるという。

3Dで再構成したリストロサウルスの胚の骨格/Julien Benoit
結果的に、リストロサウルスがこの体格の動物としては比較的大きな卵を産んでいたことが、生存に向けた重要な利点になったとみられる。革のような殻を通して失われる水分も、同時代に生息した他の種の卵より少ない分量で済んだだろうとブノワ氏は指摘する。
卵が大きいということは、孵化(ふか)した時点でリストロサウルスの幼体はかなり成長していたとみられる。これもまた利点の一つと言える。
今回の研究結果は、哺乳類における授乳の起源に関する知見にも重要な示唆を与える。研究者たちの出した結論によれば、乳を分泌して子に栄養を与える能力は、大量絶滅後の三畳紀前期から後期(2億5200万年~2億100万年前)にかけて進化した可能性が高い。そうブノワ氏は付け加えた。
「孵化したばかりのリストロサウルスの幼体はもう十分に大きく、自力で餌を食べ、捕食者から逃げることができた。成熟のスピードも速く、早期に繁殖可能だっただろう」
加えて今回の研究は、授乳にまつわる仮説を「強く裏付ける」ものでもあるとブノワ氏は語る。仮説によると初期の授乳は子に栄養を与えるためではなく、上記の革のような卵を湿潤に保ち、保護機能を高める手段として進化した可能性がある。
今後は授乳並びに胎生がどのように進化したかについて、さらなる研究を計画しているという。胎生は母親の体内で胚が成長する繁殖形態を指す。哺乳類の繁栄の過程を理解する上で、これらの謎の解明が大いに寄与するとブノワ氏は期待を寄せる。
英スコットランド・エディンバラ大学の古生物学・進化生物学教授、スティーブ・ブルサット氏はCNNの取材に答え、リストロサウルスの胚を「興味深い化石だ」と評した。同氏は今回の研究には関わっていない。
「これは我々の最も近縁な哺乳類の祖先の一部が、依然として爬虫(はちゅう)類のように卵を産んで繁殖していたことを示す確固たる証拠だ。この時点で親はまだ生きた子どもを産むのではなく、授乳も行っていなかった」と、ブルサット氏は電子メールで述べた。
「そうした特徴は後の時代に現れ、今日の哺乳類の繁栄に大きく貢献することになる」

21 時間前
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