名古屋大学発ベンチャーThermieL、愛知県「Aichi Deeptech Launchpad」に採択

16 時間前 2

オンプレミス型熱物性評価サービスの事業化と海外展開を加速
日本発の熱計測技術を世界へ

株式会社ThermieL(サミエル、本社:愛知県名古屋市、代表取締役CEO:藤田涼平、以下「ThermieL」)は、愛知県が実施するディープテック推進事業「Aichi Deeptech Launchpad」の2026年度アクセラレーションプログラムに採択されたことをお知らせします。今回採択された事業テーマは、「オンプレミス型熱物性評価サービスの事業化および海外展開の構築」です。ThermieLは、名古屋大学で研究開発された「ロックインサーモグラフィ式レーザー周期加熱法」を基盤とする熱物性マッピング技術を活用し、半導体、放熱材料、電子部品などの熱拡散率、熱伝導率、界面熱抵抗を非接触・非破壊で可視化する技術の開発を進めています。

今回の採択を契機に、顧客企業の拠点内で継続的に熱物性を評価できるオンプレミス型サービスの事業化を推進するとともに、半導体・電子材料分野を中心とした海外市場への展開を加速します。日本発の熱計測技術の社会実装を進め、世界の製造業や研究開発における熱マネジメントの高度化に貢献してまいります。

「Aichi Deeptech Launchpad」について

「Aichi Deeptech Launchpad」は、愛知県がディープテック分野におけるスタートアップの創出・育成や事業成長を支援するプログラムです。革新的な技術シーズを有するスタートアップなどを対象に、専門家によるメンタリング、企業とのマッチング、実証・事業化支援、海外展開支援などを実施し、研究成果の社会実装や新産業の創出を後押しします。ThermieLは、本プログラムで提供される専門家の知見や事業会社とのネットワーク、海外展開支援を活用し、オンプレミス型熱物性評価サービスのビジネスモデル構築、事業戦略の高度化、国内外におけるパートナー企業との連携を進める予定です。

【参考URL】
・愛知県「Aichi Deeptech Launchpad」採択企業
 https://www.pref.aichi.jp/press-release/deeptech2026-saitaku.html
・Aichi Deeptech Launchpad
 https://aichi-deeptech.com/news/2026_adl/

採択事業「オンプレミス型熱物性評価サービスの事業化および海外展開の構築」

ThermieLが今回採択された事業は、「オンプレミス型熱物性評価サービスの事業化および海外展開の構築」です。ThermieLでは現在、顧客から試料を預かり、熱物性を測定・評価する受託測定サービスを提供しています。今後は受託測定に加え、顧客企業の研究所や開発拠点などで利用できるオンプレミス型の熱物性評価サービスを構築します。オンプレミス型サービスを実現することで、顧客企業は開発中の材料や部品を社外へ持ち出すことなく、自社の拠点内で継続的に熱物性を評価できるようになります。機密性の高い半導体、電子材料、放熱材料などの研究開発にも活用しやすくなり、試作品の評価や設計改善を迅速に繰り返せる環境の構築を目指します。

また、海外市場においても、半導体、電子材料、パワーエレクトロニクスをはじめとする分野では、発熱対策や熱設計の高度化が重要な課題となっています。ThermieLは、「Aichi Deeptech Launchpad」の海外展開支援や企業マッチングを活用し、海外企業や研究機関との連携、販路開拓、現地ニーズの検証を進め、日本発の熱物性マッピング技術を世界へ展開していきます。

生成AI・データセンター時代に高まる熱マネジメントの重要性

生成AIやクラウドサービスの普及を背景に、データセンターで使用されるGPUや高性能プロセッサーの発熱密度は急速に高まっています。電気自動車、再生可能エネルギー、産業機器などで使用されるパワー半導体においても、高出力化や小型化に伴う発熱への対応が重要な技術課題となっています。半導体デバイスや電子部品では、発生した熱を効率的に外部へ逃がせるかどうかが、製品の性能、耐久性、信頼性、省エネルギー性能を左右します。

一方、従来の放熱設計では、シミュレーションと試作品の製作・測定を繰り返す必要があり、開発期間やコストの増加が課題となるケースも少なくありません。

材料内部や接合界面における熱の伝わり方を正確に把握できなければ、シミュレーションと実際の製品との間に差が生じ、設計変更や再試作が必要になる可能性があります。

ThermieLは、材料や部品の熱物性を二次元的な分布として可視化する独自技術により、開発初期段階から実測データに基づくフィードバックを可能にします。

熱設計シミュレーションの精度向上、材料選定の効率化、試作回数の削減、開発期間の短縮などを通じて、次世代半導体や電子部品の研究開発を支援します。

熱物性マッピングシステム「Thermospect」とは

熱物性マッピングシステム「Thermospect」

ThermieLは、熱物性マッピングシステム「Thermospect(サーモスペクト)」の開発を進めています。Thermospectは、ロックインサーモグラフィと周期加熱技術を組み合わせ、対象物の熱拡散率、熱伝導率、界面熱抵抗などを空間分布として評価する熱計測システムです。一般的なサーモグラフィが対象物表面の温度を可視化するのに対し、Thermospectは温度変化の背景にある材料固有の熱物性を解析し、マッピングできる点を特徴としています。

これにより、材料や部品のどの部分で熱が伝わりやすいか、あるいは熱が滞留しやすいかを視覚的に把握できます。

測定対象にセンサーを直接取り付ける必要がなく、非接触・非破壊で評価できるため、微細な電子部品、半導体材料、薄膜、複合材料、接合界面などへの応用が期待されています。

ThermieLの熱物性マッピング技術の特徴

非接触・非破壊で測定

サーモグラフィを利用して対象物の温度応答を取得するため、センサーを直接接触させることなく測定できます。対象物を大きく加工・破壊する必要がなく、貴重な試料や開発中の部品にも活用しやすい評価技術です。

熱物性を二次元分布として可視化

一点の測定値だけでは把握しにくい材料内部のばらつきや局所的な異常を、二次元のマッピングデータとして可視化できます。材料の不均一性、接合状態、放熱性能のばらつきなどを確認し、製品設計や品質改善に活用できます。

熱拡散率・熱伝導率・界面熱抵抗を評価

熱の広がりやすさを示す熱拡散率、熱の伝わりやすさを示す熱伝導率、異なる材料の接合界面で熱の流れを妨げる界面熱抵抗など、熱設計に重要な複数の指標を評価します。

研究開発から品質評価まで幅広く活用

新素材の研究、半導体デバイスの放熱設計、電子部品の故障解析、接合材料の評価、製造工程の品質管理など、さまざまな用途への応用を想定しています。

ロックインサーモグラフィ式レーザー周期加熱法について

ロックインサーモグラフィ式レーザー周期加熱法は、周期的に強度を変化させたレーザー光を対象物に照射し、対象物をわずかに加熱する計測手法です。レーザーによる周期的な加熱に対して対象物に生じる微小な温度変化を、サーモグラフィによって非接触で取得します。取得した温度波形に信号処理を施し、加熱信号に同期した温度応答を抽出することで、周囲の温度変動や測定ノイズの影響を抑えながら、高精度な熱計測を可能にします。

さらに、温度応答の振幅や位相を数理モデルに基づいて解析することで、熱拡散率、熱伝導率、界面熱抵抗などの材料熱物性を算出します。

測定位置ごとに解析を行うことにより、熱物性を空間分布として可視化できます。

想定される活用分野

ThermieLの熱物性マッピング技術は、半導体や電子材料を中心に、幅広い産業分野での活用が期待されています。

半導体・パワー半導体
GPU、CPU、パワー半導体、半導体パッケージなどの放熱性能評価や、局所的な熱集中の分析に活用できます。
放熱材料・電子材料
TIM(熱界面材料)、放熱シート、接着材料、セラミックス、複合材料、薄膜材料などの熱伝導性能や均一性を評価できます。
電子部品・デバイス
電子基板、センサー、バッテリー、モーター、パワーモジュールなどにおける熱の伝わり方や接合界面の状態を可視化します。
自動車・モビリティ
電気自動車やハイブリッド車に搭載されるインバーター、バッテリー、モーターなどの熱設計や信頼性評価への応用が期待されます。
航空宇宙・先端材料
高い信頼性が求められる航空宇宙部品や、先端複合材料の研究開発、品質評価への活用を目指します。

オンプレミス型サービスで継続的な熱物性評価を実現

ThermieLが構築を目指すオンプレミス型熱物性評価サービスでは、顧客企業の研究所や開発拠点において、熱物性マッピング技術を継続的に利用できる環境を提供します。受託測定では、試料の発送や測定依頼、結果の受領までに一定の時間が必要となります。一方、オンプレミス型サービスでは、材料開発や試作品の製作後に、顧客企業が必要なタイミングで迅速に評価を行えるようになります。開発・測定・解析・設計改善のサイクルを短縮し、データに基づく熱設計や材料開発を支援します。

さらに、顧客企業内で測定を行えることから、開発中の新素材や製品など、機密性の高い試料にも対応しやすいサービスモデルを目指します。ThermieLは、測定システムの提供だけでなく、測定条件の設計、データ解析、評価結果の解釈、熱設計へのフィードバックまで含めた総合的な支援を検討しています。

海外市場への展開を加速

半導体や電子部品の高性能化に伴う発熱問題は、日本国内だけでなく、世界共通の課題となっています。特に、生成AI向け半導体、データセンター、電気自動車、再生可能エネルギー、航空宇宙などの分野では、熱マネジメント技術の重要性が一層高まっています。ThermieLは、「Aichi Deeptech Launchpad」を通じて海外市場のニーズを把握するとともに、現地企業、研究機関、販売パートナーとの関係構築を進めます。

海外における実証機会の創出や販路の開拓、サービス提供体制の整備を進め、日本発の熱物性マッピング技術をグローバル市場へ展開していきます。

株式会社ThermieLについて

株式会社ThermieL

ThermieLは、名古屋大学発ベンチャー認定企業として2025年に設立されました。名古屋大学で研究開発されたロックインサーモグラフィ式レーザー周期加熱法を活用し、熱物性マッピング技術の社会実装を推進しています。現在は、熱物性評価サービス、熱計測装置の開発、熱設計支援などを通じて、半導体、電子材料、自動車、航空宇宙をはじめとする幅広い分野の研究開発を支援しています。ThermieLは、サーモグラフィによる温度計測の「その先」を目指し、材料や部品の熱物性を可視化する次世代の熱計測ソリューションを提供します。

データに基づく熱設計や材料開発を支援することで、製品性能の向上、開発期間の短縮、省エネルギー化、カーボンニュートラルの実現に貢献してまいります。

会社概要

項目内容
会社名株式会社ThermieL(ThermieL Co., Ltd.)
代表者代表取締役CEO 藤田涼平
所在地愛知県名古屋市千種区不老町1 名古屋大学インキュベーション施設103号室
設立2025年
事業内容熱物性評価サービス、熱計測装置の開発、熱設計支援
公式サイトhttps://www.thermiel.com
お問い合わせhttps://www.thermiel.com/contact

本件に関するお問い合わせ

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お問い合わせフォーム
https://www.thermiel.com/contact

■プレスリリース配信元-株式会社ThermieL

https://companydata.tsujigawa.com/company/1180001167282/

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