合意目前に見えたイランとの和平交渉、トランプ氏の相次ぐSNS投稿でぶち壊しに

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2026.04.21 Tue posted at 16:31 JST

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大統領執務室でのトランプ米大統領=18日/Julia Demaree Nikhinson/AP

大統領執務室でのトランプ米大統領=18日/Julia Demaree Nikhinson/AP

(CNN) 週末が近づく中、米国とイランは7週間に及ぶ戦争を終結させる合意に近づいているように見えた。

しかしその後トランプ大統領は、側近らが繰り返し「しない」と述べてきたことをまさに実行した。同氏はメディアを通じて交渉しようとしているように見え、SNSに進行中の協議について投稿。17日午前には、パキスタンの仲介役がイラン首都テヘランでイラン当局者と進めている協議について最新状況を伝える中、複数の記者と電話で会話した。

トランプ氏は、協議に詳しい関係者らがまだ最終決定していないとする多くの条項についてイランが合意したと主張。さらに、濃縮ウランの引き渡しを含む、最も対立の激しい米国からの要求の多くをイランが受け入れたと断言し、戦争の終結はまもなくだと宣言した。

イラン当局者は表向きにはそれらの主張の多くを退け、次回協議の準備を進めていることも否定。高まっていた合意への期待は急速にしぼんだ。今や和平交渉の行方は見通せない。

トランプ政権当局者の一部はCNNに対し、交渉の機微や、米国に対するイラン側の根深い不信感を指摘しつつも、トランプ氏の公の発言が協議に悪影響を与えていると内々に認めた。問題を複雑にしている点はほかにもある。それは、米国側の見立てでは、ガリバフ国会議長とアラグチ外相が率いるイランの交渉団と、同国のイスラム革命防衛隊の間に溝があり、最終的に合意を承認できるのは誰なのかとの疑問が生じているということだ。

米イラン間のあやうい停戦は19日、再び試練を迎えた。米軍のミサイル駆逐艦がオマーン湾で米海軍の封鎖を突破しようとしたイラン貨物船に砲撃して拿捕(だほ)し、イラン側の怒りをさらにあおったのだ。

2週間の停戦期限が迫る中、トランプ氏は再び決断を迫られている。たとえ不完全なものであっても合意を受け入れるのか、それとも、すでに終わっているはずだと自ら述べていた紛争を激化させるのか。

20日までに、次回交渉に対するイラン当局者の抵抗はやや和らいだようだったが、保留された合意の輪郭は依然として不明確だった。

ホワイトハウスのレビット報道官は「オバマ政権が結んだひどい合意とは異なり、トランプ大統領の交渉力のおかげで、米国はイランとの良い合意にかつてなく近づいている」と述べた。

トランプ氏は交渉にレッドライン(越えてはならない一線)をいくつか設けており、その中には、イランがウラン濃縮を中止し、兵器級に近い物質の備蓄を引き渡すことが含まれている。一方のイランは、ホルムズ海峡の支配権の維持を認めること、および、米国による制裁解除を要求している。

それぞれの側が自らの条件にどれほど柔軟になれるかが、最終的に合意を実現できるかどうかを左右する。トランプ氏にとっての最優先課題は、オバマ政権時代のイラン核合意になぞらえられるような合意には応じないことだ。この合意に関してトランプ氏は、2018年に離脱し、一貫して弱腰だとこきおろしてきた。

トランプ氏は20日、米国内で戦争への不支持が高まり、この戦争がガソリン価格上昇の一因にもなっているにもかかわらず、合意をまとめるプレッシャーは感じていないと強調した。同氏はSNSに「私はいかなるプレッシャーも受けていない。もっとも、すべては比較的早く起こるだろう!」と書き込んだ。

20日午後の時点で、トランプ氏の投稿癖が交渉を損ないかねないと周囲の誰かが本人に伝えたかは不明。正午までに戦争に関する投稿は複数回行われ、その分量は合計900語を超えていた。

トランプ氏の公の発言は、交渉を巡る不確実性を高め続けているだけだ。

19日午前のある時点でトランプ氏は一連の電話相手に対し、バンス副大統領は安全保障上の不特定の懸念を理由に今回の協議には参加しないと告げた。これと同時に、政権内の高官2人、ウォルツ国連大使とライト・エネルギー長官は出演したテレビ番組でバンス氏が1回目と同様にイスラマバードで代表団を率いると明らかにした。

結果的には2人が正しく、トランプ氏が間違っていた。この状況についてホワイトハウス当局者はCNNに「状況が変わった」と説明した。

その翌日、トランプ氏はまたも混乱を招く説明をした。同氏は米紙ニューヨーク・ポストの電話取材に対し、バンス氏は渡航中で数時間以内にパキスタンに到着すると伝えたが、その直後、バンス氏を乗せた車列がホワイトハウス西棟に到着した。

ホワイトハウス当局者は「代表団はまもなく出発する見込みだ」と釈明した。

計画に詳しい関係者らによれば、バンス氏は協議に向けて21日にワシントンを出発する見通しだという。協議とは、トランプ氏が19日に20日夜に行われると主張していたもの。

しかし交渉は現在、22日午前にイスラマバードで始まる方向で進んでいる。関係者らは状況がなお「流動的」だとやや控えめに指摘した。

同様に流動的なのが、まもなく期限切れとなる2週間の停戦の行方だ。トランプ氏が20日に電話で記者と交わした会話に基づけば、具体的な期限もどうやら変わったとみられる。トランプ氏はもともと米東部時間7日午後6時32分に停戦を発表したので、2週間の期限は21日夜となるはずだった。

だがトランプ氏はブルームバーグ通信に対し、停戦は「ワシントン時間の22日夜」に終了すると述べ、イランの橋や発電所を爆破するという自身の脅しを実行に移すかどうかを決めるまでに、24時間の追加猶予を設けた。それ以上の延長の可能性は「極めて低い」としている。

トランプ氏はかねて停戦延長に応じるかどうかについて立場を二転三転させてきた。先週の記者団との質疑応答では、停戦を延長するかどうか5回問われ、3通りの異なる答えを示した。

ある時点では「合意がなければ戦闘は再開する」と明言したが、その後、必要なら停戦を延長すると述べた。また別のタイミングでは、交渉状況を踏まえればその問い自体意味がないとも示唆した。「様子を見よう。そうする必要があるか分からない。理想的には必要ないだろう」

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