(CNN) 欧州の河川でこのほど、古代マンモスの骨や90年ほど前に沈没した船など、長らく水中に沈んでいた遺物が相次いで発見された。欧州は今夏、記録的な暑さや干ばつに見舞われ、複数の河川の水位が記録的な低さとなっている。
ブルガリア北部では先月29日、記録的な水位低下によって露出したドナウ川の川底から古代マンモスのものとみられる遺骸が発見された。

ブルガリアで発見された古代マンモスのものとみられる遺骸/Lyuboslav Yordanov/Slivo pole municipality/Reuters
近郊の町ルセにある地域史博物館の館長は、発見されたのは下顎骨一つ、牙2本、肋骨(ろっこつ)と思われる骨1本だと述べた。ロイターが地元メディアの報道として伝えた。今後、発見を裏付けるための検査が行われる予定だという。
ドナウ川はクロアチアも流れている。同国では1937年に石炭を運搬中に沈没した「フルトン」と呼ばれる貨物船が姿を現した。

1937年に沈没したハンガリーの貨物船フルトン=7月24日、クロアチア/Antonio Bronic/Reuters
さらに、セルビアでは沈没したナチスの軍艦の残骸も出現した。
今夏の欧州は極度の記録的な熱波に相次いで見舞われ、混乱に陥っている。科学者らは、人為的な気候危機がこの現象を一層激しくしていると明言している。高温で乾燥した気候は、破壊的な山火事を引き起こしただけでなく、水源にも甚大な圧力をかけている。
かつて勢いよく流れていた河川はわずかな水流へと縮小し、広大な川床が干上がり、露出している。この危機は、海運や観光、水の確保から発電まであらゆるものに影響を及ぼしている。
欧州で2番目に長く、10カ国を流れるドナウ川の一部は、前例のない水準にまで水位が低下している。
ハンガリーの水管理当局が先月29日に首都ブダペストでドナウ川の水位を測定したところ、約23センチにまで低下していた。AP通信は2013年当時過去最低だった33センチを更新したと伝えている。今後数日間、同地域で目立った降雨は予想されておらず、状況が改善する見込みはほとんどない。

ドイツのライン川を渡る貨物船。広大な砂州が露出している=7月30日/Thomas Lohnes/Getty Images

ポーランドを流れるサン川=30日/Kuba Stezycki/Reuters
この事態は発電にも深刻な影響を及ぼしている。ハンガリーは同国の電力のほぼ半分を生産する原子力発電所を停止する予定。停止期間は数週間にわたる可能性がある。原発の冷却にはドナウ川の水が使われているためだ。
船舶の運航にも支障が出ている。貨物船は座礁を避けるため積載量を大幅に減らす必要があり、輸送速度は大幅に遅く、かつ高額になっている。
河川の水位低下は観光にも影響を及ぼし、一部の河川クルーズは運航の中止や変更を迫られている。28日には、ブルガリアのドナウ川でクルーズ船が砂州に座礁した。

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