(CNN) 座っている時間の長さだけでなく、座りながら何をしているかが健康に影響を与える可能性がある。そうした事実が新たな研究で明らかになった。
研究によると、座ったままでのテレビ視聴など「精神的に受動的な」行動は認知症の発症リスクの上昇と関連している一方、クロスワードパズルなどの精神的に能動的な活動はある程度の予防効果をもたらす可能性があるという。
この研究結果は、脳の健康と老化に関する知識に新たな示唆を加えるものであり、身体活動と並んで認知活動が重要であることを示している。この研究が意味するところと、脳の健康をうまく守る方法を理解するために、CNNのウェルネス専門家リアナ・ウェン氏に話を聞いた。ウェン氏は、ジョージ・ワシントン大学の救急医で非常勤准教授。メリーランド州ボルティモアの衛生局長を務めた経歴も持つ。
CNN:この研究では座位行動について何を調査し、どのような結論を導き出したのでしょうか?
ウェン氏:この研究は「アメリカン・ジャーナル・オブ・プリベンティブ・メディシン」誌に掲載されたもので、スウェーデンの成人2万人以上を約20年にわたって追跡し、さまざまな種類の座位行動が認知症の発症リスクにどう関連するかを調べている。研究開始時、参加者は35~64歳で、座って過ごす時間の長さと、その間に行っている活動の種類を報告した。データは、約20年間の研究期間中に569人が受けた認知症診断と照合された。
研究者らは、座位行動が精神的に受動的なのか能動的なのかを区別し、精神的に受動的な活動に多くの時間を費やした人は、後に認知症を発症するリスクが有意に高いことを突きとめた。一方、座りながら精神的に能動的な活動に費やした時間と、リスクの低下も関連していた。
行動を変えた場合に何が起こりうるかもモデル化された。1時間の受動的な座位行動を能動的な座位行動に置き換えることは、認知症リスクの約7%の低下と関連し、精神的に能動的な座位行動を全体的に1時間追加することは4%のリスク低下と関連していた。精神的な能動性と身体活動を組み合わせるとさらに大きな効果が見られ、認知症発症リスクが11%低下した。
CNN:精神的に受動的・能動的な座位行動とは何を指していますか?
ウェン氏:この研究における精神的に受動的な行動とは、認知的な努力や関与がほとんど必要とされない行動を指している。例えば、テレビ視聴や音楽を聴くだけで何もやりとりがない行為が挙げられる。
一方、精神的に能動的な座位行動は、注意力や問題解決、またはやりとりが必要になるものだ。このグループには、読書、パズル、編み物や裁縫などの趣味、あるいは思考と情報処理を伴うコンピューター作業などが含まれる。
この区別は本質的に、脳が積極的に使われているかどうかにある。2人が同じ時間座っていても、活動内容によって認知への影響は大きく異なる可能性があるということだ。
CNN:なぜ精神的に受動的な活動が認知症リスクの上昇と関連するのでしょうか?
ウェン氏:説明の一つは、脳は刺激によって恩恵を得るということだ。認知的な関与は神経結合の維持を助け、「認知的予備力」を支える可能性がある。認知的予備力とは脳が適応し、時間とともに生じる変化を補う能力を指す。
精神的な努力をほとんど必要としない活動に長い時間を費やすと、それらの経路が同じように刺激されない可能性がある。数カ月、数年の過程で、そのような関与の欠如が記憶や思考の低下につながりうる。
他の生物学的・行動的要因も影響しているかもしれない。精神的に受動的な活動は長時間座りっぱなしの傾向があり、脳への血流を低下させる場合がある。より能動的な活動は注意や動作の小さな切り替えを伴うことが多く、それが有益に働いている可能性がある。
同時に、この研究は因果関係を証明するものではないという点は重要だ。もともと認知機能が高い人が精神的に能動的な活動を選ぶ傾向にあるという可能性もある。したがって、この研究結果は、説得力があるものの、受動的な活動を選ぶことが直接認知症につながるという証明ではなく相関関係として解釈すべきだ。
CNN:脳を活性化させ続けるために、どのような活動を検討すべきでしょうか?
ウェン氏:重要なのは、積極的な思考を必要とする気晴らしを選ぶことだろう。本を読む、クロスワードパズルを解く、友人と話す、新しいスキルを学ぶといったシンプルなものでいい。
創造的な趣味もすばらしい選択肢だ。編み物を編む、絵を描く、文章を書く、楽器を演奏するなどの活動はすべて、脳のさまざまな部分を活性化させる。新しいレシピに挑戦したり別の言語を練習したりするなど、日常的な作業も刺激の要素を加えることで認知的により能動的なものにできる。
CNN:スクリーンタイム(画面を見ている時間)はすべて有害ということでしょうか?
ウェン氏:それは使い方による。例えば、やりとりなしに長時間テレビを見ることは精神的に受動的な活動に入る。一方で問題解決、新しい言語の学習、あるいは大切な人との連絡のためにコンピューターを使用することは、精神的に刺激的になりうる。
この研究が提起しているのは、画面を見ること自体についてではなく、関与度の低い行動が長時間続くことに関する懸念だ。今日の環境では、それはSNSをぼんやりとスクロールしたり際限なくコンテンツを消費し続けたりする行為などが該当する可能性がある。
CNN:認知症リスクを低下させるためには、精神的・身体的活動のどちらが重要ですか?
ウェン氏:どちらも重要だ。身体活動は脳の健康に対して確立された効果があり、座りがちな生活習慣は認知症リスクの上昇と関連している。この研究は、座位時間中の精神的活動もまた重要だという新たな視点を示唆している。また、身体活動と精神的に能動的な行動を組み合わせることが、どちらか単独よりも認知症リスクのさらなる低下と関連していることも示された。
CNN:認知機能の低下を心配している人への重要な示唆は何でしょうか?
ウェン氏:日常の小さな選択が時間とともに違いを生むということだ。受動的な行動を長時間続ける状況を減らし、可能な限り精神を活性化させる活動に置き換えることを目指すといいだろう。
同時に、脳の健康は全般的な健康と密接に結びついていることは覚えておこう。それは、身体的に活動的であり続け、心血管の良好な状態を維持し、喫煙を避け、さらに栄養バランスのとれた食事をとって十分な睡眠をとることを意味する。何十年にもわたる研究に基づけば、こうした習慣の組み合わせを長年にわたって実践することが長期的な認知機能を支えることにつながる。

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