労働時間を長くしたい人は「少数派」
近年の日本では、労働力不足を背景に、企業側から「従業員の労働時間を増やせないか」という議論が出ることがあります。
しかし、働く側の意向を見ると、その見方はかなり慎重に考える必要がありそうです。
東大社研パネル調査では、収入になる仕事をしている回答者に対し、「労働時間を短くしたいか、長くしたいか」を尋ねています。
2024年と2026年の結果を男女別に見ると、労働時間を長くしたいと答えた人は、男性で2〜3%、女性で6%にとどまりました。
一方で、半数以上は「今のままでよい」と答えています。
さらに、男性では約4割、女性では約3割が「労働時間を短くしたい」と回答していました。
つまり、多くの働き手は、現在よりも長く働くことを望んでいるわけではありません。
Credit: 東大社研パネル調査2026(PDF)人手不足だからといって、働く人たちの側に「もっと長く働きたい」という大きな需要があるとは言いにくいのです。
この傾向は2024年と2026年でほとんど変化しておらず、労働時間を増やしたい人が急に増えているわけでもありません。
では、少数派である「労働時間を長くしたい人」は、どこに多いのでしょうか。
調査から見えてきたのは、就業形態と個人年収との強い関係です。
正規雇用では、労働時間を長くしたい人は男性2%、女性1%と非常に少なくなっていました。
正規雇用ではフルタイムで働いている人が多いため、それ以上の追加的な就業を望みにくいと考えられます。
一方、非正規雇用では、労働時間を長くしたい人の割合が男性13%、女性12%と高くなっていました。
また、個人年収別に見ると、年収が少ない人ほど労働時間を長くしたいと考える割合が大きくなっていました。
ここから考えると、「もっと働きたい」という意向は、単純な仕事への意欲というより、収入を増やす必要性と結びついている可能性があります。






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