「子どもの方が創造的」は本当か
板に向かって、自分から進んで絵を描く子どもです。創造性は、こうした誰かに言われてではなく夢中で取り組む姿と重ねて語られがちでした。Credit: Sumasa / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)この疑問に取り組んだのは、オーストリアのグラーツ大学のヤニカ・サレツキ氏らのチームです。
チームはまず、人々が創造性をどう捉えているかを探る質的な予備調査を行いました。
すると創造性は、小学校に上がる前の幼い子ども(未就学児)と結びつけて語られがちだと分かりました。
しかもそれは、誰かに言われてではなく、自分から夢中で取り組む姿と重ねられていたのです。
この見方は、本番の調査に参加した大人にもはっきり表れていました。
「子どもと大人、どちらが創造的か」とたずねると、大人の78.6%が「子ども」と答えたのです。
10人いれば8人近くが、自分たち大人より子どもの方が上だと考えている計算です。
一方、子どもたちの答えは「子ども」が46.7%、「大人」が43.5%と、ほぼ半々に割れました。
大人と子どもに同じ質問をしたときの答えの割合を、帯の長さで表した図です。大人の帯はほとんどが「子ども」の色なのに、子どもの帯は2つの色がほぼ半分ずつです。Credit: ナゾロジー編集部(編集部が作成した図、論文の図2(Saretzki et al., PLOS One (2026)、CC BY 4.0)をもとに作成)当の子どもたちは、自分たちの方が上だとは決めつけていなかったわけです。
そこでチームは、92人の未就学児と70人の大人に、同じ創作の課題に取り組んでもらいました。
参加者みんなが同じ順番で取り組んだ課題の流れを示した図です。作品は、誰が作ったかを知らない採点者が、新しさ・有効性・創造性の3点で評価しました。Credit: ナゾロジー編集部(編集部が作成した図)大人の参加者は、主に20代の人たちでした。
1つ目は、ありふれた空き缶の使い道を、3分間でできるだけ多く考える課題です。
子どもは空き缶になじみが薄いことも考えて、子どもにも大人にも本物の空き缶を渡し、手に取りながら考えてもらいました。
2つ目は、白紙と色ペンを渡され、何でも好きに絵を描く課題です。
3つ目は、この世にいない空想の動物を考えて描く課題で、こちらは独創的な作品をはっきり求めます。
作品は、誰が作ったかを知らされていない採点者が評価しました。
見たのは、新しさ、アイデアとして有効か(有効性)、全体としての創造性の3点です。
さらに参加者自身にも、やる気や楽しさ、自信、不安の度合いを答えてもらいました。






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