【分析】米軍の「封鎖下」でもホルムズ海峡を通過、一部の船舶が通航しているのはなぜ?

14 時間前 2

(CNN) 米中央軍のクーパー司令官は15日、米国によるイランの港湾封鎖は「完全実施」されており、わずか1日半の間にイランの経済活動の大半を停止させたと明らかにした。

クーパー司令官(海軍大将)はSNS上の声明で、「イラン経済の推定9割は海上貿易に支えられている。封鎖の実施から36時間足らずで、米軍は海上経由でイランを出入りする全ての経済取引を完全停止させた」と説明した。

中央軍はこれに先立ち、実施を始めて以降、封鎖を突破した船舶はないと発表していた。

その一方で、一部の商船がホルムズ海峡を通航しているとの報告も浮上している。ホルムズ海峡はイランとオマーンの間に位置する戦略的なチョークポイント(要衝)で、世界の石油輸出の2割、イランからの石油輸出の8割が通過する。

ただ、こうした商船の行き来はクーパー司令官の主張を自動的に否定するものではない。

重要な点は二つある。

1.中央軍が説明したように、今回の封鎖はホルムズ海峡内外に位置する全てのイランの港湾が対象となるが、海峡そのものには適用されない。イランに関係ない船舶の通過は可能だ。国際水路の封鎖は海事法上、違法とされる。

2.封鎖を実施する米軍は、数万キロ離れた場所でもイラン関係の貨物を運ぶ船舶を阻止できる。商船はホルムズ海峡を離れて大きな時間が経った後でも、公海上で標的となる可能性がある。

前方展開中の強襲揚陸艦「トリポリ」の艦上で、海兵隊員が甲板射撃訓練中にライフルを発射する様子/U.S. Central Command Public Affairs
前方展開中の強襲揚陸艦「トリポリ」の艦上で、海兵隊員が甲板射撃訓練中にライフルを発射する様子/U.S. Central Command Public Affairs

専門家は、現代の技術をもってすれば遠距離での封鎖の実行も可能だと指摘する。

米海軍退役大佐のカール・シュスター氏は、「(米国は)イランを封鎖するためにペルシャ湾内まで艦艇を展開する必要はない」との見方を示した。

シュスター氏によれば、封鎖任務に当たっている中央軍の艦艇は12隻あまり。その全てではないにしても、大半の艦艇はホルムズ海峡の外にとどまっている。こうした艦艇は航空宇宙システムと連動した高度な追跡・偵察装置を搭載できる。

また封鎖初期の時点では、石油タンカーはあまり遠くまで行くことができない。満載状態のタンカーの航行速度は時速20マイル(時速約32キロ)未満で、平均的な自転車のスピードとそこまで大差ない。

これに対し、米海軍はペルシャ湾の外に出た船舶を世界中どこでも、数週間にわたって追跡できるだけの規模と活動範囲も備えている。

米シンクタンクの戦争研究所(ISW)は14日、「米国によるイランの港湾封鎖に明確な地理的境界はない。最終寄港地に到達するまで、米国は公海上のほぼあらゆる場所で船舶を阻止できる」と指摘した。

今年初めにベネズエラのマドゥロ政権に圧力をかけた際、米軍が出港地から数千キロ離れたインド洋の海域でベネズエラのタンカーを拿捕(だほ)した例もある。

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