【分析】大統領報道官が5日間で解任、トランプ氏と政権にとってひどく恥ずべき事態である理由

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ANALYSIS

2026.10.18 Sun posted at 15:49 JST

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ホワイトハウス南庭で記者団に応じるトランプ米大統領を見るケイティ・ザカリア氏=13日/Julia Demaree Nikhinson/AP

ホワイトハウス南庭で記者団に応じるトランプ米大統領を見るケイティ・ザカリア氏=13日/Julia Demaree Nikhinson/AP

(CNN) ケイティ・ザカリア氏は16日、ホワイトハウス報道官としての職位を守るためメディア出演を重ねていた。その中でFOXニュースの番組司会者は、弁護士だと再三主張していたにもかかわらず司法試験に合格していないということを公表しておけばよかったと思うかと尋ねた。

ザカリア氏の答えはこうだった。「そうした質問はされなかった」

そこにこそ問題がある。これは資格の問題ではない。トランプ大統領とホワイトハウスが、ザカリア氏の経歴に関する事実確認を怠っていたというごく基本的な問題だ。

ザカリア氏の報道官としての在任期間は驚くほど短く混乱に満ちたものだった。トランプ氏2期目における最大の失態や最も重大な失態からはほど遠いが、恥ずべき失態という点では極めて上位に位置する。

ホワイトハウスはわずか1週間のうちに政権運営全体がいかに迷走し、衝動的で傲慢(ごうまん)であるかを一挙に露呈した。しかも有権者が政権に審判を下す中間選挙まであと数週間という時期にだ。

顧問らがCNNに語ったところによると、トランプ氏は16日にザカリア氏を報道官から解任した。就任からわずか5日後のことだった。在任期間はトランプ政権のホワイトハウス側近として最短記録を更新。1期目のアンソニー・スカラムッチ広報部長の記録を半分に縮めた(「1スカラムッチ」はその後、11日間を表す非公式の単位になった)。

トランプ氏は自分でザカリア氏を選んだうえ、全般的に自分の過ちを認めることをひどく嫌う。解任に踏み切らせたということは、この1週間がよほどひどかったということだ。

ザカリア氏は13日の初会見で14分間の大半を緊張しながら原稿を読み上げることに費やしたうえ、何度も言葉に詰まった。その後、質問を受け付けたのは保守系メディアの記者3人だけだった。

その後もザカリア氏はメディア出演を重ねたが、その様子はホワイトハウスの演台に立つことが政権の重荷になりかねないという印象を強めるばかりだった。結局トランプ氏は2回目の会見の機会すら与えず、ザカリア氏を解任した。

これが恥ずべきことである理由はいくつもある。

ザカリア氏の起用は急いで決めなければならなかったというわけではない。前任のキャロライン・レビット報道官が退任を発表したのは2カ月以上前の8月12日だった。適任者を確実に選ぶには十分な時間があった。

ホワイトハウスは複数の候補者を検討していたが、その中には、過去にトランプ氏を批判したことがあったという容認しがたい欠点を持つ人物もいた。ザカリア氏の名前は候補に挙がっていなかったにもかかわらず選考の終盤になって突如浮上した。そしてほかの多くの事柄と同様、トランプ氏の周囲が本人の思いつきをすぐさま実現したようだ。

もちろんトランプ氏がザカリア氏なら報道官を務められると考えた理由は理解できる。トランプ氏は間違いなくザカリア氏がケーブルニュースで何度も自身を擁護する姿を目にしていたはずだ。テレビ出演を見ることは、トランプ氏が人事候補者を見極める際に好む方法だ。しかし報道官を務めることと、好意的な司会者が多いテレビ番組に出演することは同じではない。ザカリア氏の会見での出来は客観的に見てひどかった。

その後、ホワイトハウスは事態を悪化させた。

ホワイトハウスはザカリア氏を友好的なメディアに次々と出演させた。支持を集め、職務をこなせることを示そうとしたようだ。しかし結果は正反対だった。

ザカリア氏は保守派のトランプ氏支持者らから厳しい質問を浴びせられた。支持者らはホワイトハウスの情報発信の顔としてザカリア氏が務まるかどうかを懸念していたとみられる。そして会見以上にこうしたメディア出演が決定打となり、トランプ氏はザカリア氏が「プライムタイムに出る準備ができていなかった」と結論づけた。トランプ氏の発言を直接知る人物がCNNに明らかにした。

トランプ氏は16日、ザカリア氏が「報道機関の手によって苦しめられた」ことを嘆いた。しかし自身を支持するメディア関係者が厳しく追及したとなれば、そうした主張ははるかに難しくなる(その一部はザカリア氏が経歴を誇張していたことも批判した)。

そして当初ザカリア氏の能力を保証していたホワイトハウスも今や面目を失っている。

ホワイトハウスのスティーブン・チャン広報部長は13日午前、SNSでザカリア氏は「素晴らしいスタート」を切り、会見場を「掌握した」と興奮気味に言い切った。ホワイトハウスの報道発表もザカリア氏の「堂々とした」会見を称賛し、見どころとみなした場面を切り抜いて紹介。週の後半に入るとチャン氏はトランプ氏の2期目終盤にはザカリア氏が「史上有数の報道官」として記憶されるだろうとまで主張していた。

何ともお粗末な話だ。

しかしホワイトハウスにとって今回の一件の最悪な点はおそらくトランプ氏の混乱した指導スタイルと、連邦政府を効果的に運営する能力の欠如という以前から存在するイメージをさらに強固にしたことだ。

そのイメージを裏付ける材料は山ほどある。最近では税金を使った政治広告の放映や銃殺刑のライブ配信という決定を撤回した。いずれも米国民の80%以上が反対していた。

トランプ氏は大統領就任後の早い段階でイーロン・マスク氏に事実上の自由裁量を与え、ほぼ何でも好きにできるようにしたことで政府を大混乱に陥れた。解雇された多くの職員は実際には非常に重要な職務を担っていたことや、法的に解雇できないことが判明し、後に復職させなければならなくなった。

通信アプリ「シグナル」で機密情報を扱った騒動や、トランプ氏の関税政策の目まぐるしい方針転換、イラン戦争について政権内で説明が一貫しないという問題もあった。

トランプ氏はザカリア氏の場合と同様、上院で承認されたばかりの高官を短期間で解任したこともある。米疾病対策センター(CDC)の所長や内国歳入庁(IRS)の長官などがその例だ。最初の国家安全保障担当大統領補佐官も、シグナルをめぐる騒動を受け就任から3カ月足らずで別の職に異動させられた。

そして国民もこうした事態に気づいているようだ。CNNが7月に実施した世論調査ではトランプ氏の連邦政府運営について不支持が65%にのぼった(支持は35%だった)。

無党派層の74%、共和党支持者および共和党寄りの無党派層でさえ28%が不支持と回答した。

「1ザカリア」という言葉は「1スカラムッチ」ほど語呂はよくない。しかし凡ミスによって生じたザカリア氏のあまりに短い在任期間は、有権者にこうした新たな表現をもたらしてしまった。しかもトランプ氏にとって極めて都合の悪いタイミングで。

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本稿はCNNのアーロン・ブレイク記者による分析記事です。

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