(CNN) トランプ米大統領は、11月の中間選挙で共和党が過半数を維持できるかどうかをめぐり、これまでで最も軽率とも言える発言をした。
7日に公開された米政治メディア「パンチボウル・ニュース」とのインタビューでは、共和党が中間選挙でどうなるか気にしていないとの見方を否定した。しかし実際には、チームプレーに徹して共和党が必要としていることを実行することにそれほど関心を持っていないのではないかという見方を払拭(ふっしょく)することはできなかった。
6日に収録されたこのインタビューでは、議会や、共和党が今年多数派を維持できるかどうかを実はあまり気にしていないという見方について質問が飛んだ。
「それは正しくない」とトランプ氏は応じ、「われわれは懸命に戦う」「われわれが勝つことは国にとって非常に重要だ」と述べた。
しかしその後、トランプ氏はさまざまなことを口にした。
トランプ氏は、自身の活動資金の一部を共和党候補のために使う可能性があることや、時には時間を作って遊説していることで共和党に手を貸しているとほのめかした。
「昨日はネバダ州まで出向く必要はなかった。ロサンゼルスに昨日行って演説する必要もなかった。みんなを支援する必要もなかった。私は忙しいんだ」
さらに、自身の選挙にはすでに勝ったため「私は選挙活動中の身ではない」と最近ある人物に話したとも明かした。
そして、共和党関係者が髪をかきむしりたくなる発言が飛び出した。
「問題は、(人々が)投票するかどうかだ。なぜなら率直に言って、多くの人が共和党にとても怒っているからだ」とトランプ氏は述べ、「人々は共和党には怒っているが、私には怒っていない」と続けた。
控えめに言っても、これは正しくない。
トランプ氏の不人気ぶりは歴史的で、米国民の実に3分の2がトランプ氏を支持していない。在任中の同時期にこれほどの数字が見られたのは、実際のところリチャード・ニクソン氏とジョージ・W・ブッシュ氏だけだ。
最近の世論調査では、トランプ氏への失望が中間選挙に大きく影を落としていることが明らかになっている。おそらく最も象徴的なのは、米調査機関ピュー・リサーチ・センターの調査だ。民主党支持者と民主党寄り無党派層の81%が、中間選挙での投票はトランプ氏への「反対」票になると答えた一方、共和党支持者と共和党寄り無党派層で、トランプ氏への「支持」票になると答えた割合は44%にとどまった。
発言の意図は、トランプ氏の支持基盤の有権者がトランプ氏ではなく共和党に怒っているというものだったとしても、それも正確ではない。CNNを含む最近の世論調査では、共和党支持者と共和党寄り無党派層の間でも、トランプ氏が行ってきた多くの政策に不満が広がっていることが示されており、その割合は30%、40%、さらには半数以上に達することも少なくない。
そして、ここにはもう一つ重要な点がある。関税、イランとの戦争、トランプ氏がさまざまなものに自身の名前を付けようとする動き、首都ワシントンを改修しようとする取り組みなどが世論調査で非常に不評を買う中、それでもトランプ氏は譲歩して共和党を政治的に助ける姿勢を全く見せていない。
実際、トランプ氏は最近、フィリバスター(採決を阻止する議事妨害)を廃止するよう要求したり、成立の見込みが全くないとみられる、有権者登録時の市民権証明を義務づける法案の成立を迫ったりするなど、共和党内でも対立の大きい問題を積み上げている。
そしてその間も、今年の選挙をほとんど気にしていないかのような不用意な発言を繰り返している。
イランとの和平合意を目指す動きの背景には国民の経済的な懸念があるかと問われたトランプ氏は5月、「私は米国民の経済状況は考えていない。誰のことも考えていない。私が考えていることは一つだけだ。イランに核兵器を持たせることはできない。それだけだ」と述べた。
その1週間後には「私は急いでいない。『ああ、中間選挙だ。急がなければ』などとは全く考えない。私は急いでいない」と述べ、さらにその1週間後、「中間選挙のことは気にしていない」と繰り返した。
トランプ氏は米FOXニュースとの先ごろのインタビューでも、単にイランとの戦争を終わらせるのではなく、実際に勝つことが目標だとする考えを示した。ただし、現時点で勝利の可能性は極めて小さいように見える。
交渉でイラン側が信頼できない状況を踏まえ、トランプ氏が交渉を打ち切る決断をする可能性があるのはいつかと問われると、必ずしも近いうちではないと示唆した。
「私には十分な時間がある」とトランプ氏は述べた。「中間選挙の話をする人たちがいて、その人たちは中間選挙で勝利を見たがっている」
しかし政治的にみて共和党に十分な時間はない。長引く戦争で高止まりするガソリン価格は、有権者の忍耐に追い打ちをかけている。
戦略的に見ればトランプ氏のこうした発言には一定の合理性がある。イラン側から譲歩を引き出したいのであれば、中間選挙があるから早く戦争から抜け出したいなどと悟られてはいけない。それでは交渉力が弱まる。
しかし共和党関係者は、トランプ氏が心の奥底では本当にそう考えているのではないか、つまりイラン戦争が11月に共和党にどのような代償を払わせることになるかなど気にしていないのではないかと自問し始めた方がいいかもしれない。
そして共和党関係者は、議会多数派という立場を危うくしているのは、戦争やトランプ氏が行ってきた数々の不人気な政策ではなく、共和党自身だとトランプ氏が示唆していることに激怒しなければならない。
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本稿はCNNのアーロン・ブレイク記者による分析記事です。

4 時間前
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