【分析】スクリーン使用で学びが減る――学校での端末提供に対し保護者が留意すべきこと

3 時間前 1

ANALYSIS

2026.06.05 Fri posted at 12:11 JST

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(CNN) 先日、ある保護者から相談を受けた。成績優秀でいい子だったはずの娘が、学校に行きたがらないという。遅刻や欠席が多くなり、このままでは高校を卒業できずに大学の入学許可も取り消されてしまうかもしれないと母親は心配する。

一体何が起きているのか。母親によると、家庭ではよく考えてテクノロジーの使用を選択するよう促しているといい、娘は学校でのテクノロジー使用にストレスを感じて疲弊しているらしい。人間が進化したのは互いに交流し、体を使い、屋外で過ごすためであって、一日中画面を見つめているためではないと母親は指摘した。

学校でのスクリーン使用で子どもがどうなるかを心配している保護者はこの母親だけではない。2025年の全米教育統計センターの調査によると、今や全米の公立学校の88%が全生徒に端末を支給している。私の地元の公立高校もテクノロジーを使うことが多く、私自身も娘のことを心配している。

だから、一見不可解な最新の調査結果にも驚かなかった。生徒がスマートフォンを手放しても、成績が著しく向上するわけではないという調査結果だ。

理由は恐らく、学校が私物端末の代わりに別の形態のテクノロジーを生徒に提供しているからではないだろうか。教育テクノロジーは大抵の場合、生徒の学習を困難にさせているという証拠がいくらでもあるにもかかわらず。

コンピューターを使う子どもは成績低下

神経科学者ジャレッド・クーニー・ホーバス氏の著書「The Digital Delusion: How Classroom Technology Harms Our Kids’ Learning ? And How To Help Them Thrive Again(仮題「デジタル幻想:教室テクノロジーが子どもたちの学習に及ぼす弊害――もう一度輝かせるために」)」によると、コンピューターを多く使用する生徒ほど、成績は悪くなる。ホーバス氏は議会証言でも、数多くの信頼できる国際標準テストで同じ結果が出ていると説明した。

先日、私の地元の公立学校関係者が開いた会合では、家庭で子どもたちのスクリーンタイムを減らすよう保護者に促した。これは良いアドバイスだったので、私も子どもたちのスクリーンタイムを責任を持って管理するヒントやコツを全国の保護者に伝える際に共有している。しかし問題は、その同じ学校関係者が(恐らく善意から)、学校で子どもたちにテクノロジーを使用させている点にある。

ある保護者は、娘が通う中学校の社会科の教員が、この1年を通じて1度も授業をしていないと私に語った。娘はただ、デジタル機器で課題をこなしているだけだという。

「女性の権利、宗教、権力構造などについて有意義な議論ができたはずなのに、娘はもう全く興味を示さなくなった」と母親は言う。「ただオンラインフォームに入力して時間を乗り切ることしか考えていない」

これは言語道断であり、悲惨でしかない。

生徒たちがテクノロジーなしで最善の学びができることは、データにはっきり示されている。だから私は、高校までの学校はいずれスクリーンの削減か廃止に踏み切ると信じている。ロサンゼルスは4月に学校でのスクリーンタイムを制限する決議を採択した。だが、ほかの学区がそれに追随する頃には、今学校でスクリーンを使用している世代の子どもたちにとって、既に手遅れになっているかもしれない。それには私自身の子どもも含まれる。

スクリーンは学校にふさわしくない

当然ながら、自分の娘たちがコンピューターの使い方を学び、テクノロジーの授業を通じてネット上で身の安全を守る方法を身に付けることは歓迎する。しかし読み書きや数学はコンピューターではなく、紙の上で学ぶ必要がある。

画面上のコンテンツを読むよりも印刷物を読む方が生徒の理解度が高いことは、数々の研究で示されている。同様に、メモは手書きで取った方が、入力するよりもよく理解できる。

スクリーンは生徒たちの学習を減退させるだけでなく、身体の健康にも悪い。スクリーンの使用時間が増えるほど、生徒が近視になるリスクは著しく増大する。しかも、スクリーンを使用すれば座る時間が長くなる。だが人の体は動かす必要がある。だからこそ、感覚を駆使し、身体的活動を伴う授業の重要性は特に大きい。

私が特に不安に思うのは、デジタルテクノロジーに使われている機能、例えば報酬や動きの速いコンテンツなどを取り入れて子どもたちを画面にくぎ付けにする設計の動画やゲームなどのせいで、子どもたちの集中力や意欲が発達しにくくなるのではないかということだ。学ぶために必要なこと、つまり、読んで、調べて、考え、勉強するためには、多くの場合、そうした集中力や意欲が求められる。それは時に遅々として時間がかかり、常に刺激を与えてくれるわけでもない。

スクリーンは当然ながら、他人との接し方を生徒に教えることもできない。だが将来のキャリアや長期的な幸福のためには、そうしたスキルが欠かせない。

ネットいじめの被害者の弁護を担当している米首都ワシントンの弁護士リンジー・リーバーマン氏によると、子どもたちが学校の端末で危険な相手とつながったり、有害なコンテンツにアクセスしたり、だまされたりといったネット上の危険に遭遇する可能性についても、保護者は認識しておく必要がある。

「テックを使いこなす力は常に私たちより子どもたちの方が上だ。私たちがどんな安全対策を講じようと、子どもたちがかわせない形で私たちがテクノロジーを駆使することは決してできない」とリーバーマン氏は話す。

リーバーマン氏は、ある8歳児が学校支給の端末で利用できた多数のゲームを紹介している。その中には、コンドームを使うかどうかといった日常生活の中の決断をユーザーに求めるものもあった。

保護者にできること

保護者は子どものオンラインプライバシー保護法に基づき、どのサイトが自分の子どものデータを収集しているのかを知り、データを提供しないオプトアウトの選択をする権利があるとリーバーマン氏は言う。「連邦法の下、自分たちの子どもをそうしたプラットフォームに利用されたくないと言う権利が我々にはある」

ただ、リーバーマン氏の子どもたちが通う首都ワシントンの学校では、明確なオプトアウトの手順や代替カリキュラムが存在しないという。

現在、同氏はワシントンの公立学校に対してスクリーン使用の見直しを求める保護者と教員のグループに加わっている。私自身も、学校でのスクリーン使用制限を求めて結集した地域社会の保護者グループの一員だ。自分もそうしたいと望む保護者に対し、リーバーマン氏は「Distraction Free Schools」「Schools Beyond Screens」といったサイトを参照するよう勧めている。

自分の子どもが通う学校とそうした話し合いをすることに加え、家庭でも子どものスクリーンタイムを制限し、特に宿題や勉強にはデジタル機器を使わないよう促すことが望ましい。

リーバーマン氏がこうした活動にかかわるようになったのは、自分の子どもが公立幼稚園で音楽ビデオを見て、映画「KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ」に登場する架空のバンドのことを知ったのがきっかけだった。私の娘もまさに、公立幼稚園でロゼとブルーノ・マーズのヒット曲「APT」を覚えた。

当時、私は冗談交じりに夫に言った。5歳の子どもが韓国の飲み会ゲームの歌を覚える場所なんて、それ以外あり得ないよね、と。子どもたちが学校で使うテクノロジーについて考え直すべき時は、間違いなく来ている。

本稿はフェアリー・ディキンソン大学でコミュニケーション学を専攻するカラ・アライモ教授による分析記事です。アライモ氏は保護者や学生、教職者向けに、スクリーンタイムを管理する助言を与えています。

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