光で電子を誘導する「電子灯台」が新たな物理学を照らす 電池も配線も不要

6 時間前 1

押される電流と、撃ち出される電流

押される電流と、撃ち出される電流押される電流と、撃ち出される電流 / Credit:Canva

私たちが普段使っている電流は、電圧という坂道で電子を押し流したものです。

スマホでもパソコンでも、中の半導体に電流が流れているのは、コンセントの作る坂道が、そこにいる電子を少しずつ動かしているからです。

ただ、この電子たちの旅は、思うほど颯爽としたものではありません。

物質の中には、不純物や結晶のゆがみが、そこらじゅうに転がっています。電子はそれにぶつかっては跳ね返り、また別のものにぶつかっては跳ね返り、を延々と繰り返しています。

遠くから眺めればきれいに流れて見えても、一粒ずつ追いかけてみれば、酔っぱらいが壁にぶつかりながら家路をたどるような、ふらふらの道行きなのです。

(※こういう流れ方を「拡散電流」と呼びます)

ところが、電子を流す方法は、これだけではありません。

もう一つ、の力を借りるやり方があります。

半導体の中の電子は、ふだんは身動きが取れません。原子にしっかりつかまえられていて、少し押されたくらいではびくともしないのです。

けれど、そこへ十分なエネルギーを注ぎ込んでやると、電子はこの束縛から、ぱっと解き放たれます。

しかも、解き放つのに必要なぶんより多めにエネルギーを渡してやれば、余ったぶんは、そのまま飛び出す勢い、つまりスピードに変わります。

こちらは、押して流すのではありません。光でエネルギーを渡し、その場で「走れる電子」を新しく生み出しているのです。

生まれた電子は、弓から放たれた矢のように、決まった向きへ、決まった速さで、次に何かにぶつかるまで、まっすぐ飛んでいきます。

(こちらは「弾道電流」と呼ばれます)

ただし、ここに一つ、やっかいな問題があります。

ただ光を当てるだけでは、右へ飛び出す電子と、左へ飛び出す電子が、ちょうど同じ数だけ生まれてしまうのです。

右と左が同じ数。差し引きすれば、ゼロ。これでは、電流になりません。

そこで研究者たちは、光を2種類、用意しました。

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