(CNN) 米政府が外国テクノロジー依存の低減に動く中、世界の人型ロボット(ヒューマノイド)の大部分を供給する中国が突然、最大の輸出市場から締め出された。
トランプ政権は28日、米国の国家安全保障に「容認できないリスク」をもたらすとして、外国メーカーの新しい人型ロボットや四足歩行ロボットの輸入を禁止した。再生可能エネルギーのインフラや蓄電池を電力網に接続する電力変換器も禁止対象となった。
新たな規制は、国内産業やサプライチェーン(供給網)の強化や保護を図る米政権の最新の動きといえる。米国と中国の間では、先端技術や人工知能(AI)の覇権を巡る競争が激しさを増しつつある。
中国は最先端AIモデルの開発で米国に後れを取っているが、このところ強力な中国製モデルが相次いで登場しており、米政府やシリコンバレーに動揺が広がっている状況だ。
アナリストによると、中国は製造規模の大きさや製品を迅速に市場投入する能力を武器に、消費者向けのAIアプリケーションや、ロボットなどAIを搭載するハードウェアの分野でリードを確立しているという。
連邦通信委員会(FCC)は声明で、「これらの機器はサプライチェーンの脆弱(ぜいじゃく)性を生み、米国の経済安全保障や国家安全保障を揺るがす可能性がある。米国の重要インフラを脅かすサイバーセキュリティーリスクを生み出す可能性もある」と指摘した。
CNNは中国商務省のほか、宇樹科技(ユニツリー)や智元創新科技(アジボット)、優必選科技(UBテック)、銀河通用機器人(ギャルボット)といった中国の大手人型ロボットメーカーにコメントを求めている。
6月上旬に行われたメディア向けツアーの際、CNNは杭州にある宇樹科技(ユニツリー)の本社内部を取材する貴重な機会を得た(CNN)
FCCが特に中国企業を念頭に外国技術を禁止するのは今回が初めてではない。昨年12月には外国製ドローン(無人機)に対して同様の規制を導入し、中国ハイテク大手のDJIを事実上、米国市場から締め出した。
中国の人型ロボット産業はわずか数年の間に、国内屈指の有望な戦略セクターへと花開いた。メーカー数は140を超え、サプライチェーンも急拡大を遂げている。
中国企業が世界の出荷台数の9割を占める一方、テスラやフィギュアAIといった米国の競合企業は量産開始に苦慮している状況だ。テクノロジー調査会社のインタラクトアナリシスによると、世界最大の消費市場である米国は昨年、中国製人型ロボットの海外輸出先としても最大だった。
調査会社オムディアで人工知能(AI)と人型ロボット担当のチーフアナリスト、リャン・ジェイ・スー氏は今回の禁止措置について、短期的には中国ロボットメーカーの米国での販売に支障が出る公算が大きいものの、米中間の長年の地政学的緊張を考慮すれば、全体的な影響は「最小限」にとどまるとの見方を示す。
「彼らは米国市場での商機について現実的な見方をしている。今回の禁止措置も予想通りだ」とスー氏。多くの中国系ベンダーは主要販路として欧州に注目していると言い添えた。

3 週間前
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