ローマ人が発明したとされる高度な建築技術ーー実は8000年前にすでに存在していた

3 ヶ月前 17

ローマ人より遥か昔に発明していた技術

モツァ遺跡は、紀元前7100〜6700年頃の新石器時代B期に栄えた大規模な集落です。

この時代はまだ「土器以前」であり、陶器が日常的に使われるようになる前の段階とされています。

そのため、現代の私たちはつい「当時の人々の技術は素朴だったのでは」と想像してしまいます。

しかし、モツァの発掘調査では、そのイメージを大きく変える証拠が見つかりました。

遺跡からは100以上の漆喰床が確認されており、その中には赤い顔料で塗られた保存状態のよい床もありました。

漆喰とは、石灰などを原料にして作られる建築材料です。

現在でも壁や床の仕上げに使われることがありますが、作るには石を焼き、水と化学反応させ、再び固めるという工程が必要になります。

一般的な石灰漆喰は、石灰岩に含まれる「方解石」を利用して作られます。

石灰岩を高温で焼き、水を加えて消化し、空気中の二酸化炭素と反応させることで硬い材料に戻すのです。

これは「石灰サイクル」と呼ばれる化学的な工程です。

ところが、モツァの漆喰床では、それとは異なる材料も使われていました。

それが「ドロマイト」です。

ドロマイトは方解石とは成分が異なる鉱物で、これを漆喰の材料として使うには、より細かな温度管理や条件の制御が必要になります。

単に石を砕いて混ぜればよいわけではありません。

ドロマイトを焼いて漆喰にする工程は難しく、これまでその技術の古い証拠はローマ時代に現れると考えられていました。

しかし今回の分析では、モツァの人々がドロマイトを単なる混ぜ物として使っていただけでなく、焼成して結合材として利用していたことが示されました。

つまり、床を丈夫にするための「本体」としてドロマイトを使っていた可能性があるのです。

モツァの人々は、石の種類を見分け、それぞれの性質に合わせて建築材料を作っていたと考えられます。

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