ベネズエラ、仮想通貨採用「世界17位」に浮上|高インフレ下の実需が支える

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この記事の要点

  • TRM Labsが2026年4月23日に世界仮想通貨採用レポートを公開
  • ベネズエラが世界17位に浮上、取引の9割超がUSDT
  • 世界仮想通貨市場は11%減、2四半期連続の縮小を記録
  • 欧州ではユーロ建てステーブルコインが12倍に拡大

まずはステーブルコインを詳しく

ベネズエラの仮想通貨採用が世界17位に

ブロックチェーン分析企業のTRM Labsは2026年4月23日、Q1の世界仮想通貨採用レポートを公開し、ベネズエラの小売取引高が17億9,000万ドル(約2,855億円)に達したことを明らかにしました

この小売取引高に基づくランキングで、ベネズエラは前期の22位から世界17位となりました。取引の大半は投機目的ではなくステーブルコインが占めており、他国とは異なる需要構造が確認されています。

一方、同レポートによると2026年Q1の世界小売取引総額は9,790億ドル(約156兆円)で、前年同期比11%減となり、2四半期連続の縮小を記録しました。市場全体が減速するなかでも、ベネズエラは一定の取引規模を維持しています。

インフレと資本統制が生んだステーブルコイン経済圏

USDT依存90%、P2P取引が示す需要

ベネズエラでは長年にわたる高インフレと政府による資本統制が続いており、自国通貨ボリバルでの資産保全が極めて困難な状態が続いてきました。

こうした経済的背景のもと、ドル連動型ステーブルコインは実質的な決済・貯蓄手段として機能し、従来の銀行システムを迂回する形で普及が進んでいるといいます。

TRM Labsによると、バイナンスP2P(個人間取引)の未決済注文残高のうち約90%がステーブルコインで占められており、なかでもUSDTが「90.2%」と圧倒的な比率を占めています。

世界減速下でもベネズエラ採用が続く

一方、2026年Q1の世界仮想通貨小売市場は、米国の関税政策をめぐる不確実性やドル高、実質金利の上昇が重なり、2022年の弱気相場以来となる急速な縮小を2四半期連続で記録したことが報告されています。

ビットコイン(BTC)はQ1を通じて22%下落し、68,000ドル(約1,085万円)近辺で四半期を終えており、リスク回避姿勢が広がるなかで世界的に小売参加者の減少が続いています。

こうした環境下でも、ベネズエラの取引高は一定水準を維持しました。背景には、投機ではなく生活防衛という実需があり、TRM Labsはこの需要がステーブルコイン採用を支えていると分析しています。

MiCA整備でユーロ建てステーブルコインが1大幅拡大

ベネズエラの動きに加え、欧州でもユーロ建てステーブルコインの急成長がみられています。

TRM Labsのデータによると、ユーロ建てステーブルコインは2025年1月から2026年3月にかけて12倍に拡大し、7億7,700万ドル(約1,240億円)に達しました。

ベネズエラの採用は高インフレや資本統制といった実需に支えられています。一方、欧州におけるユーロ建てステーブルコインの拡大は、MiCA(暗号資産市場規制)による規制明確化を背景としており、動機の違いがみられます。

ベネズエラと欧州のいずれにおいても、ステーブルコインは決済手段としての役割を強めつつあります。

こうした世界各地への広がりのなかで、米国のGENIUS法やEUのMiCAといった主要規制の整備が、今後の採用多様化に与える影響に関心が集まっています。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=159.52 円)

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Source:TRM Labsレポート
サムネイル:AIによる生成画像

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