プーチン氏が主張する偽りの戦果、ロシア軍の惨状と前進の遅れが浮き彫りに

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2026.07.17 Fri posted at 19:15 JST

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(CNN) 一つの町が1年の間にたどった運命を通して、ロシアが自ら選択した不幸な戦争の意外な実態を垣間見ることができる。

ウクライナ東部ドンバス地方のコンスタンチノフカは、ロシア軍前進の鍵を握る要衝だ。同軍はこの町に対し、多くの時間と兵力を注ぎ込む浸透作戦を実施してきた。

7月3日、ロシア国防省は町の中心部の複数地点でロシア兵がロシア国旗を掲げる一連の動画を公開。町を制圧したとの主張を裏付けようとした。この虚偽の主張は、最近の映像やウクライナ兵の証言、そして前線の独立した地図分析によって否定されているが、ロシア指導部はここ数カ月、同様の主張を繰り返している。そこには戦場での進展を実際以上に大きく見せる意図があるとみられる。自国民や、あるいはホワイトハウスの交渉相手に対して、自分たちの軍事作戦が停滞していないことを印象づけるためだろう。

ウクライナのゼレンスキー大統領は、この偽りの勝利宣言を即座に取り上げ、もし本当に町がロシア側の支配下にあるのであればそこでプーチン大統領と会談し、和平について話し合いたいと呼びかけた。

過去1年間で2度、コンスタンチノフカとその周辺を取材してきたCNNは、位置情報で検証された動画や証言を用いて、ロシア軍の前進がどれだけ甚大な犠牲を伴ったか、そしていかに遅々として進まなかったかを明らかにしている。

2025年7月29日

独立系ウクライナ人分析グループ「ディープ・ステート」の戦況図によると、この日のロシア軍は町の外側に展開し、内部への侵攻を試みている。町へ通じる道路にはすでに漁網が張られ、ロシア軍の攻撃用ドローン(無人機)から交通を守っている。車は安全に町へ出入りしており、中心部の市場も、時折ドローンの脅威はあるものの、依然として活気を保っている。

当時この町を訪れたCNN取材班は、通りが民間人でにぎわっている様子を確認した。ただし、一部の住民は撮影されることをためらっていた。将来的にロシアに占領された場合、「西側メディアに協力した」として処罰されることを恐れていたのかもしれない。

2025年11月

昨年の初冬、戦況図上ではいわゆる係争地域を示す「グレーゾーン」が町の中心部へとさらに迫っていることが示されていた。ロシア軍による空爆も激しさを増していた。ウクライナ軍が公開した映像には、町の南西部にある集合住宅が炎に包まれる様子が映っている。

また、ロシア軍のドローンは、ほんの数本先の通りで空爆によって生じた被害を捉えている。

それでも、ウクライナ軍は依然として町の中心部をしっかりと保持している。参謀本部はこの月、ある将校が勝利広場(ビクトリー・スクエア)に何気なく立っている様子を映した動画を公開した。

これに対してロシア側は、自軍兵士の視点映像とみられる映像を公開している。これは町の南西端にあるグロモフ通り沿いの集合住宅の中庭から撮影したもののようだ。

2026年1月

今年最初の週にディープ・ステートが記録したところによれば、ロシアは最大規模の前進を遂げたように見える。グレーゾーンは町にまで達し、二つの別個の進撃部隊が主要な進入路へさらに接近している。

ロシア軍の前進の度合いを左右する重要な要因は二つある。一つは攻撃ドローンの航続距離だ。個人や車両を標的とする小型の一人称視点(FPV)ドローンであれ、建物を攻撃する大型ペイロードの機体であれ、その航続距離は毎月伸び続けており、コンスタンチノフカと周辺の安全地帯を徐々に遠ざけ、ウクライナによる防衛をより困難にしている。さらに重要なのはこの時期、西側当局者がウクライナ側の主張を繰り返し、ロシア軍は毎月最大3万5000人の死傷者を出していると述べ始めたことだ。

この驚異的な数字は、ドローンによってできるだけ多くの兵士を殺害するというウクライナ側の方針と、ロシアが依然として残虐な「波状攻撃」戦術を続けていることの帰結だろう。コンスタンチノフカ周辺で、ロシアがわずかな前進のためにどれほどの人的犠牲を払っているとみられるかが浮き彫りになる。

しかし同月に投稿された映像では、月末時点になってもウクライナ側の部隊が町の中心部や鉄道駅付近に依然としてとどまっている様子が分かる。

2月になると、白リン弾が南西部の集合住宅に降り注ぐ。町の周辺部が最も激しい戦闘の舞台となっていることが示唆される。 白リン弾は恐ろしい兵器であり、 人道法に基づき住宅地上空での使用は違法とされている。

それでもなおウクライナ側は、町の中南部に依然として駐留していることを示す映像を投稿している。

この段階までには民間人の大半が避難し、町は徐々に瓦礫(がれき)の山へ変わっていった。4月に投稿された映像では、昨年11月にウクライナ軍要員が何気なく立っていた場所が、骨組みだけを残した建物や廃墟へと変わっている。

2026年5月

5月、CNNはロシア軍ドローンの到達範囲の変化を身をもって経験した。1年前には漁網による覆いの下で安全に通行できたコンスタンチノフカの主要進入路が、再訪時には徒歩で5時間かかる過酷な道のりに変わった。漁網は依然として残っていたが、道路にはドローンの攻撃を受けて焼け焦げた車両や、前線への補給に使われていた自動ロボットの残骸が散乱していた。

隣接する主要都市ドルジキウカからコンスタンチノフカ郊外まで、「命の道」と呼ばれるようになった5キロの道のりの大半は、徒歩で進まざるを得なかった。その間ウクライナ兵は絶えず草木の陰に身を隠し、頭上を飛ぶロシア軍の攻撃ドローンが通り過ぎることを祈るしかなかった。道路を走る車両は格好の標的だ。取材班が横を通り過ぎた焼け焦げた車はつい数日前、部隊の将校が死亡した際に使用していた車両だった。

ウクライナ軍が依然として町の中心部を保持していたにもかかわらず、この道路の危険性が増したことは、ここ数カ月でロシア軍ドローンの航続距離が延びたことを反映している。技術的進歩は双方に見られ、戦場の様相を絶えず変化させている。地図上のグレーゾーンは町の奥深くまで広がり、ロシア軍が南西部へ実際に侵入していることを示している。

2026年7月

その2カ月後、ロシア軍は町を制圧したと主張し、その証拠とされる映像を公開した。しかし7月3日の地図を見れば、依然として町のかなりの部分を支配下に置く必要があることは明らかだ。

制圧の主張から1週間後、ウクライナ第19軍団はSNSのテレグラムに映像を投稿。市内の瓦礫の中にいたロシア軍をドローンで攻撃し、「占領者」1人を殺害したと主張した。投稿にはこう記されている。「敵は画面の中では勝利を描いているが、実際には我々の部隊によって撃破されている。町は持ちこたえている。防衛は続いている」

ここにコンスタンチノフカの教訓が表れている。ロシアは莫大な犠牲を払いながら、じわじわと町を手中に収めつつあるのかもしれない。しかしそこで獲得する領土の面積は、ロシアの国土1700万平方キロに対し、わずか66平方キロにすぎない。

この戦いで、ロシア・ウクライナ双方の正確な死者数は不明。しかし映像から、町が瓦礫と化したことは分かっている。

この町には確かに一定の戦略的重要性がある。ここを押さえればロシア軍は、プーチン氏が切望するドンバス地域最後の主要人口中心地、クラマトルスクとスロビャンスクへさらに接近できるからだ。とはいえ、これら二つの町を攻略するにも、同様に凄惨(せいさん)かつ長期にわたる戦闘が必要になる公算が大きい。ロシアにとって重要なこれらの戦果を挙げるには、楽観的に見積もっても少なくともあと1年はかかるだろう。

コンスタンチノフカにおける恐るべき暴力の1年間は、プーチン氏の戦争計画の核心にある弱点を浮き彫りにする。果たして同氏はいつまで、ロシア国民の信頼をつなぎとめることができるのだろうか。 最小限の成果でさえ偽りの勝利として喧伝しなければならず、現実にはなお手の届かない状況が続くこの戦争において。

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