(CNN) 米ワシントンの芸術施設「ケネディ・センター」の理事は、建物にトランプ大統領の名前を再び掲げない限り、数週間以内に「確実な財政破綻(はたん)」に直面すると警告している。米紙ニューヨーク・タイムズとワシントン・ポストが入手した文書で明らかになった。
両紙によると、この警告は15日の特別会合を前に、同施設の理事会に回覧された決議案に盛り込まれている。文書によれば、同施設は数週間以内に給与の支払いや通常の施設維持契約への支払いができなくなる可能性があり、破産の恐れもあるという。
トランプ氏は、センターの存続に必要な資金を集めると申し出ているが、それには自身の役割に対する「適切な表彰」があった場合のみとしている。決議案はそれがなければ、トランプ氏が救済を主導したり、計画されている改修を監督したりする可能性は低いと記しているという。
「トランプ氏はお金を引き寄せる」と、理事でトランプ氏の長年の盟友であるパオロ・ザンポリ氏はニューヨーク・タイムズに語った。「だからトランプ氏がここに寄付するように言えば、誰もが寄付する」
この主張は、トランプ氏が同施設を掌握しようとする動きをめぐる最新の展開だ。トランプ氏は昨年、自身に忠実な人々を理事に据え、その理事らがトランプ氏を理事長に選出した。それ以降、同施設は財政難、幹部の相次ぐ交代、訴訟に見舞われている。この人事刷新を受け、アーティストたちは予定していた公演への出演を取りやめ、チケット販売も落ち込んだ。
それ以降、トランプ氏はこの施設に自身の色を強く打ち出そうとしており、昨年12月には建物の外壁に自身の名前を掲示した。しかしこの変更をめぐっては合法性を争う訴訟に発展し、名前を撤去しなければならないとの判断が示されたことから、今年6月に取り外された。
裁判資料によると、ケネディ・センターは8月、建物に再びトランプ氏の名前を加え、数年にわたる改修のため閉館することを決議した。
同施設はかねて、トランプ氏の名前が建物の正面に掲げられていなければ、すでに受け取った数百万ドルの民間寄付を返還しなければならないと主張していた。
ワシントン・ポストによると、15日の会合を前に理事会に示された文書では、建物名の下に掲げる、トランプ氏の功績をたたえる碑文を10種類の中から選ぶよう求められている。
理事らはセンター本館をただちに閉鎖することも求められている。今月4日には、ロビーで天井のしっくいの一部が約18メートル落下する事案があった。経営陣は建物が「引き続き使用するには安全ではない」と判断している。
けが人はいなかったが、政権はこの件を、改修が必要だとする主張を補強する材料として利用している。

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