フランス議員とBTC戦略導入を協議
ビットコインインフラ企業「Jan3」の創設者サムソン・モウ氏は2025年6月22日、フランスが国家の準備資産としてビットコイン(BTC)を導入する可能性について言及しました。
同氏はチェコ・プラハで開催された「BTCプラハ」カンファレンスにおいて、フランスのサラ・クナフォ欧州議会議員と会談を行い、自身のX(旧Twitter)の投稿で「フランス、さらにはヨーロッパ全体で国家レベルのビットコイン導入が広がることを期待している」と述べました。
It was great to meet @knafo_sarah and she’s invited us to visit France! Looking forward to starting a nation-state Bitcoin adoption wave in France and perhaps all of Europe! https://t.co/fUACDK7RId
— Samson Mow (@Excellion) June 21, 2025
クナフォ議員にお会いできて光栄でした。フランスへのご招待もいただき、心より感謝しています!
フランス、そしてヨーロッパ全体で国家レベルのビットコイン導入の波を起こしていけることを楽しみにしています
会談では、フランスにおけるビットコインの準備資産としての活用や、規制面での支援体制の構築について協議が行われたことが報告されており、フランス政府の動向に関心が集まっています。
さらに、モウ氏はクナフォ氏がJan3のチームをフランスに招待していることも明かしており、今後も議論が継続される見通しです。
「ビットコインは100万ドルへ」モウ氏予測
仏クナフォ議員、ビットコイン国家戦略に言及
一方、クナフォ議員はビットコイン導入に前向きな姿勢を示しており、自身のXで「フランスは国家レベルでのビットコイン導入に取り組む必要がある」と表明しました。
同氏はモウ氏との会談について「非常に有意義な意見交換だった」と評価し、モウ氏を「国家レベルでのビットコイン導入を専門とし、エルサルバドル大統領をはじめ各国リーダーに助言してきた人物」と紹介しています。
Excellentes discussions avec @Excellion, expert de l’adoption de Bitcoin par les États, qui a conseillé le Président du Salvador et tant d’autres. La France doit s’emparer de ces enjeux. #BTCPrague pic.twitter.com/fbgYZXrWkX
— Sarah Knafo (@knafo_sarah) June 21, 2025
ビットコインの国家採用に関する専門家であり、エルサルバドル大統領をはじめ多くの国々に助言してきたモウ氏と、有意義な意見交換をさせていただきました。
フランスもこうした重要な課題に真剣に取り組むべき時です。
さらにクナフォ氏は、同カンファレンスでストラテジー(旧マイクロストラテジー)社の会長マイケル・セイラー氏とも会談しており、セイラー氏について「先見性と野心を兼ね備えた人物だ」とコメントしています。
クナフォ氏は「近くフランスおよびヨーロッパに向けた多くのプロジェクトが立ち上がるだろう」と述べており、今後フランス国内での政策提案や関連プロジェクトのの進展が期待されています。
フランスと欧州で加速するビットコイン採用
今回の会談背景には、フランスおよび欧州においてビットコイン採用への関心が高まっていることがあります。
フランス企業がビットコインを大量取得
近年、フランスでは民間・公共の両分野でビットコイン関連の動きが広がりを見せています。
パリを拠点とする仮想通貨(暗号資産)企業ブロックチェーングループ社は、6月3日に624 BTC(6,870万ドル/100億円相当)を追加取得しました。これにより、同社の保有残高は1,471 BTCに達したと報告されています。
またフランスの政府系投資銀行であるBpifrance(ビー・ピー・フランス)は3月、国内のブロックチェーン産業育成を目的として仮想通貨に2,500万ユーロ(約42億円)を投資する計画を発表しています。
仮想通貨に関心を持つフランス国民が急増
一般利用者の間でも関心が高まっており、仮想通貨業界団体Adanと監査大手デロイトの調査(2025年4月)では、保有率が約10%と報告されています。
さらに「2025年中に新規購入・保有したい」と回答した人の割合は前年より10ポイント増え、33%に達しました。
ビットコインの新規購入・保有に対する意欲の高さは、調査対象6カ国中でイタリア(37%)に次ぐ水準です。現在の保有率は他国より低い水準にあるものの、フランスでは今後ユーザー数が大幅に増加する可能性があると見られています。
33%が仮想通貨新規購入・保有を検討
欧州の仮想通貨政策と規制動向
欧州全体でも、企業および政府によるビットコイン導入の取り組みが徐々に拡大しています。
Coinbase、EU27カ国で展開可能に
欧州連合(EU)では2024年末、仮想通貨包括規制「MiCA法」が全面施行されました。
これにより、米大手仮想通貨取引所Coinbase(コインベース)はルクセンブルク金融当局からMiCAに基づくライセンスを取得し、EU27カ国でのサービス提供が可能となっています。こうした規制整備にあわせて、企業の展開も進んでいます。
一方、業界内では「欧州各国はビットコインを国家の準備資産として採用する明確な方針を打ち出していない」との指摘もあり、米国など他地域と比較して採用ペースが遅れていることを懸念する声も上がっています。
フランス、ビットコイン国家戦略の先導国となる可能性
モウ氏とクナフォ氏の今回の連携は、フランスが欧州におけるビットコイン国家戦略の先導役としての立場を強めつつあると見られています。
フランス政府の今後の動向は欧州の仮想通貨政策全体に影響を与える可能性があり、各国の業界関係者から注目を集めています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=146.45 円 / 1ユーロ=169.46 円)
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Source:サムソン・モウ氏X投稿
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