大ピラミッドは地面と同じリズムで揺れにくい
建物が地震で大きな被害を受ける理由の一つに「共振」があります。
これは、地面の揺れと建物の揺れやすいリズムが近いとき、ブランコを同じタイミングで押すように揺れが増幅されてしまう現象です。
小さな力でも、タイミングが合えば揺れは大きくなります。
そのため、建物と地盤がどの周波数で揺れやすいかを調べることは、地震に対する強さを考える上で重要です。
チームは、大ピラミッドの内部と周辺の37地点に携帯型の加速度計を設置し、環境振動を測定。
環境振動とは、遠くの交通、風、海の波が地球を伝わる動き、地殻に常に存在する微小な揺れなどによって生じる、ごく小さな振動です。
文化財を壊さずに構造の特徴を調べられるため、巨大な古代建築には非常に適した方法です。
測定の結果、ピラミッド周辺の地盤では、主な振動周波数がおよそ0.6ヘルツでした。
一方、ピラミッド内部の多くの場所では、2.0〜2.6ヘルツの範囲に集中していました。
これは、地盤とピラミッド本体の揺れやすいリズムが大きくずれていることを意味します。
このずれによって、地震のエネルギーが地面からピラミッド本体へ効率よく伝わりにくくなり、揺れの増幅が抑えられている可能性があります。
ギザの大ピラミッド/ Credit: ja.wikipedia実際、ギザ周辺では1847年に推定マグニチュード6.8、1992年にマグニチュード5.8の地震が記録されています。
それでも大ピラミッドの主要構造が大きく崩れなかった背景には、こうした振動特性の違いが関係しているのかもしれません。
また、大ピラミッドは硬い石灰岩の上に築かれています。
研究では、周辺地盤の地震脆弱性指数も調べられており、少なくとも測定された範囲では、地震時に大きく変形しやすい地盤ではないことが示されています。
広い基礎、低い重心、上へ行くほど軽くなる形、左右対称に近い構造も、揺れや転倒、ねじれに対して有利に働いたと考えられます。
大ピラミッドは、現代の高層建築のように柔軟に揺れを逃がす建物ではありません。
むしろ、重く、低く、広く、安定した巨大な石の構造物です。
その性質が、地盤との周波数のずれと組み合わさり、長期的な安定性を支えてきた可能性があります。






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